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キャッチフレーズは「戦うグラビアアイドル」…異色の女子プロレスラー杏ちゃむの“武器”「私、おじさんキラーみたいで(笑)」《特別グラビア》

posted2023/06/30 11:00

 
キャッチフレーズは「戦うグラビアアイドル」…異色の女子プロレスラー杏ちゃむの“武器”「私、おじさんキラーみたいで(笑)」《特別グラビア》<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

“戦うグラビアアイドル”のキャッチフレーズで活動している女子プロレスラーの杏ちゃむ

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

長野県を拠点とするプロレス団体「信州ガールズ」には異色の女子プロレスラーがいる。現役グラビアアイドルとして活動しながらリングで闘う杏ちゃむに、プロレスラーになった経緯、“二足のわらじ”の苦労とやりがいなどについて聞いた。《NumberWeb特撮インタビュー第1回/後編につづく

 “戦うグラビアアイドル”のキャッチフレーズを持つ女子プロレスラーの杏ちゃむは、自分のデビュー戦をポスターで知った。しかも試合の2週間前に。

 そもそもが波瀾万丈の人生だった。

「出身は長野県なんですけど、中学の途中でニュージーランドに留学したんです。高校生の時に帰国して、地元だと編入も難しいので東京の学校に通うことになりました。その頃にグラビア、モデルのお仕事も始めて。16歳でした」

 小学生時代は空手、高校時代にキックボクシングを経験。プロレスにも「どハマり」したそうだ。

“インディーのプロレス”の空気を好きになった

「チケットをもらって初めて見に行ったのがドラゴンゲート。アイドルだった神姫楽ミサも一緒だったんです。ミサも今はプロレスラー(JTO所属)になってるから面白いですよね」

 たまたま一緒にプロレスを見に行った友だちの中から2人のプロレスラーが生まれたのだ。杏ちゃむは特にインディーのプロレス、デスマッチが好きになった。マニアックであり怪しげなところもあり、しかし選手と観客の距離が近く親密感もある。その独特の空気が好きだった。

「大日本プロレス、ダブプロレス、FREEDOMS。選手の自主興行も好きでしたね。周りにプロレスファンの女性がいなかったから、会場に行くとプロレスの話ができるみたいな。そこでいろいろ情報を知ることもできたり。

 地方にも行ったりして、年間150大会くらい見てました。そのためにバイト4つかけもちして(笑)。チケットは今でも全部、保管してあります。時々“いくら使ったんだろう?”って金額を数えるんですけど、怖くなって途中でやめちゃいます(笑)。そういえば新日本プロレスは一回も行ったことがないんですよ」

 インディー興行には、チケットの「選手扱い取り置き」のシステムもある。レスラーが公開しているメールアドレスやツイッターのダイレクトメッセージからチケットを予約できるのだ。

「取り置きのやり方を知って余計にハマりました。選手から直接チケットを買えて、お礼のメッセージまでもらえるんだから凄いなって」

母親と見に行ったプロレス会場でスカウト

 転機が訪れたのは、長野に帰省している時のことだ。母親と一緒に、武藤敬司の団体WRESTLE-1(2020年に活動休止)を見に行った。そこで出会ったのが地元の団体・信州プロレスリングの代表兼レスラーであるグレート☆無茶だった。

 それまで、アイスリボンや我闘雲舞の一般向けプロレス練習会に参加したことはあった。まさか自分がプロになれるとは思わなかったが、プロレスの基本を習うのは楽しかった。空手やキックをやっていたから体を動かすのも好きだった。

【次ページ】 「現役グラドルのプロレスデビュー」の話題性と反感

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