ボクシングPRESSBACK NUMBER

ラスベガス衝撃のKO劇から1カ月…無敗の“ネクストモンスター”中谷潤人25歳は、井上尚弥をどう思っている?「井上さんの凄いところは…」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byShigeki Yamamoto

posted2023/07/02 17:01

ラスベガス衝撃のKO劇から1カ月…無敗の“ネクストモンスター”中谷潤人25歳は、井上尚弥をどう思っている?「井上さんの凄いところは…」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

ラスベガスで衝撃のKO劇をみせた”ネクストモンスター”中谷潤人(25歳)が、モンスター井上尚弥について語った

 指導方針は、とにかく実戦を想定したトレーニングの繰り返し。スパーリングと全力を出し切るシャドーボクシングを日替わりでこなすハードな内容は昔も今も変わらない。実戦を通して課題が見つかればその場で修正していく。相手がどういう戦いを仕掛けてこようとも、焦ることなく対応力を発揮して最適解を見つけ出せるのはトレーニングの賜物でもある。頭と体のスタミナを切らさないことが、中谷の何よりの強みだ。

 どんなボクサーになっていきたいか?

 そう尋ねると、彼は真っ直ぐこちらに視線を向けて言った。

「勝つために、徹底して丁寧にやっていくこと、ここは凄く大切にするボクサーでありたいと思います。そのうえでモロニー戦でもそうですが、12ラウンドずっと倒すっていう気持ちがありました。いかにアグレッシブにやれるかというところが結局KOにもつながっていくので、今回そういう場面がつくれたのが自分にとっていい経験になったのは間違いありません。観ている人が求めるところを感じつつ、そのなかで僕らしいスタイルを見せていきたいなという思いがあります」

 愛の拳士であり、ネクストモンスターであり、リカルド・ロペスを目指していけば“精密機械”の要素だってあるだろう。

 すべてをハイブリッドにした“ラブハイテクモンスター”へ。

 ネクストが取れて新たなニックネームで呼ばれる日は、きっともう間もなくだ。

<前編から続く>

中谷潤人(なかたに・じゅんと)

1998年1月2日、三重県生まれ。現WBO世界スーパーフライ級王者。元WBO世界フライ級王者。世界2階級制覇王者。2023年5月20日、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナでアンドリュー・モロニーとのWBO世界スーパフライ級王座決定戦を行ない、最終12R2分42秒でKO勝利をおさめた。戦績は25戦25勝(19KO)

#1から読む
「自分の血を見て興奮しちゃったんですかね(笑)」中谷潤人25歳が明かす“ラスベガス衝撃のKO” モロニーを沈めた一撃は「想定通りだった?」

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

関連記事

BACK 1 2 3 4
#中谷潤人
#井上尚弥

ボクシングの前後の記事

ページトップ