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ラスベガス衝撃のKO劇から1カ月…無敗の“ネクストモンスター”中谷潤人25歳は、井上尚弥をどう思っている?「井上さんの凄いところは…」 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2023/07/02 17:01

ラスベガス衝撃のKO劇から1カ月…無敗の“ネクストモンスター”中谷潤人25歳は、井上尚弥をどう思っている?「井上さんの凄いところは…」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

ラスベガスで衝撃のKO劇をみせた”ネクストモンスター”中谷潤人(25歳)が、モンスター井上尚弥について語った

 井上はライトフライ級、スーパーフライ級に続き25歳になった2018年にバンタム級で世界3階級制覇を果たしている。

 現在25歳の中谷はフライ級に続く複数階級制覇を成し遂げた。12ラウンドに左オーバーハンドで倒した相手、アンドリュー・モロニーは井上が2020年に7回KO勝ちしたジェイソン・モロニーの双子の弟でもある。ともにラスベガス初登場でともにインパクトある結果を残し、同じMGMグランドだった(井上はコロナ禍で無観客試合だったため、会場内のカンファレンスセンターを使用)というのも共通している。中谷がこれから“モンスター路線”を歩んでいく序章とも受け取れる。

 中谷が何より井上にリスペクトの念を抱くのは、権威あるリング誌のパウンド・フォー・パウンド(体重差がない仮定での最強ランキング)において日本人ボクサーとして初めて1位になったことだ。現在はオレクサンドル・ウシクに次いで2位にランクインしている。

「ランキングを見れば凄いボクサーばかり。プロでは全勝でいきたいし、大きい目標としてはパウンド・フォー・パウンドに名前を入れていきたいというのが素直な願望としてありますから」

 日本人ボクサーがリアルに1位の座に就いた事実は、中谷の背中を押してくれている。決して不可能な目標ではないことを井上が示してくれたのだ。

 自分のボクシングを発展させた先にある理想像が、パウンド・フォー・パウンドの常連であったミニマム級、ライトフライ級で51勝37KO1分け無敗というキャリアを誇ったあの“精密機械”リカルド・ロペスだという。チャンピオンのまま引退した軽量級のスーパースターである。

 中谷は中学を卒業して単身アメリカに渡り、師事するルディ・エルナンデストレーナーからリカルド・ロペスの試合やトレーニングの映像を見ておくように言われていた。目を奪われ、心を奪われた。

「リカルド・ロペスは大好きだし、今も憧れを持っています。どういう相手であっても、どんな戦い方でこられても対応して精密に倒していく。結構大振りでラフなんですけど、しっかり当たっているんですよね。自分の理想と言われれば、そうだと思います」

 確かに長身から繰り出す中谷の多彩かつ正確なブローと冷静さを失わないファイトスタイルは、どこかリカルド・ロペスのニュアンスがかぶる。

「自分が一番やりたいのはやっぱり統一戦」

 WBO世界スーパーフライ級王者となって迎える中谷の次戦は9月中旬、首都圏での開催が予定されているという。強者との対戦が期待されている。

【次ページ】 「自分が一番やりたいのはやっぱり統一戦」

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