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ウナギ・サヤカ「今一番勢いがあるレスラーは私」 強気で生意気、アンチがいても…“傾奇者”はなぜ大物に愛される?「身の丈とか分からないので」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2023/06/20 17:00
昨年10月から「ギャン期」と称してさまざまな団体で活躍するウナギ・サヤカ
会社設立…グッズ制作に写真集の発売も決定
とにかく話題には事欠かない。アメリカ遠征、全日本プロレス参戦、藤原喜明&スペル・デルフィン&ウナギ・サヤカvs鈴木みのる&本間朋晃&菊タローという異色の(女子はウナギだけの)スペシャルな試合、さらに小橋建太プロデュース興行ではKAIRI戦。以前から対戦要求してきたアジャコングとは爆破マッチで対戦することになった。ジャガー横田の主催大会ではSareee、朱崇花との3WAY戦が待っている。ある記者は苦笑いしていた。
「いっつもウナギの試合見てる気がしますよ。追いかけてるつもりはないんですけどねぇ。取材に行く先、行く先にウナギが出てる。男子の団体行ってもいるんだから」
もはや売れっ子というレベルすら超えているような気もするウナギはグッズ制作、異業種とのコラボ企画にも力を入れており、春に会社を設立した。名付けて「株式会社ウナギカブキ」。今のところ所属は社長のウナギだけだが、たくさんのファンが「名誉平社員」になっている(そして社員証もグッズ化)。写真集の発売も決まった。
活動の幅を広げるのは、それだけ野望が大きいからだ。
「プロレスラーを“子供がなりたい職業1位”にしなくちゃと思って。そのためにはカッコいい仕事なんだってところを見せたいし、憧れられるには肩書きを持つのも大事じゃないですか。プロレスラーって夢あるなと思ってほしい」
中野たむ&白川未奈とは「またいつか組みたいし闘いたい」
会社設立を発表したのは、4月23日のこと。この日、スターダムは横浜アリーナでビッグマッチを開催し、中野たむがワールド・オブ・スターダム王座、白川未奈がワンダー・オブ・スターダム王座を獲得した。たむと白川、ウナギはユニット「コズミック・エンジェルズ」(コズエン)のオリジナルメンバーだ。今はスターダムから離れて活動するウナギだが、コズエンをやめてはいないという。
「同じ日に2人がチャンピオンになって、私は社長。完全に運命だし、夢しかないですよ。弱小ユニットだってバカにされたけど、ちゃんと前に進んできたなって」
5月にはたむと白川が互いのベルトをかけて2冠戦を敢行。たむが2つのベルトを独占することになった。それも運命なのだろうとウナギ。
「なぜ今、このタイミングでと思ったけど、お互い譲れないものがあったんでしょうね。スターダムの歴史の中でもめったになかった2冠戦を、たむさんとみなちゃんがやった。そこに意味があると思う。あの2人とは、組んでいても負けたくないって気持ちがありました。今だってそう。上がるリングは違っても気持ちはつながってるし、競争してるつもりでもあるし、またいつか組みたいし闘いたい」