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「今季は新人王争いが豊作!」巨人・秋広優人と阪神・村上頌樹、オリ山下舜平大に育成上がり茶野篤政…“首位ロッテコンビ”も好成績
posted2023/05/30 11:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kiichi Matsumoto/JIJI PRESS
交流戦前時点で今季のセ・パ両リーグの新人王候補について見ていこう。
今季の新人王争いは両リーグともに、ハイレベルになっている。新人王資格は、海外のプロ野球リーグに参加した経験がない選手で、支配下登録されてから5年以内、投手は前年までの一軍での登板イニング数が30イニング以内、打者は、前年までの一軍での打席数が60打席以内になっている。
“独立Lから入団1年目”での活躍は異例
〈パ・リーグ〉
・新人王資格のある打者。安打数10傑
茶野篤政(オ)46試173打48安0本9点5盗 率.277
2022年育4/四国IL徳島
児玉亮涼(西)38試107打24安0本6点2盗 率.224
2022年6位/大阪ガス
友杉篤輝(ロ)17試59打18安0本7点4盗 率.305
2022年2位/天理大
池田来翔(ロ)11試48打17安2本5点0盗 率.354
2021年2位/国士舘大
矢澤宏太(日)29試82打16安1本4点2盗 率.195
2022年1位/日体大
安田悠馬(楽)24試50打11安2本6点0盗 率.220
2021年2位/愛知大
水野達稀(日)24試41打9安0本6点1盗 率.220
2021年3位/JR四国
福田光輝(日)17試42打7安1本6点0盗 率.167
2019年5位※ロッテ/法政大
奈良間大己(日)14試31打5安1本4点0盗 率.161
2022年5位/立正大
佐藤直樹(SB)31試27打5安1本2点2盗 率.185
2019年1位/JR西日本
このコラムでも何度か取り上げているが――茶野は独立リーグ徳島から育成4位でオリックスに入った。筆者は徳島でドラフト発表を取材したが、午後5時に始まったドラフト会議で、茶野の名前が呼ばれたのは8時を過ぎていた。ここから開幕スタメンを勝ち取り、1試合欠場しただけの46試合出場。すべてスタメンだ。バットを短く持ってしぶとく当てていく打法で、必死に頑張っている。育成上がりの新人王は2008年の山口鉄也(巨)、2009年の松本哲也(巨)、2022年の水上由伸(西)と3人いるが、入団1年目、しかも独立リーグ上がりでは前例がない。
友杉と池田のロッテコンビも首位快走に貢献
打者で茶野に立ちはだかりそうなのが、友杉、池田のロッテコンビ。友杉は開幕から遊撃手として藤岡裕大と併用され、打率も3割をマークしている。池田は5月6日に一軍に昇格するとマルチヒット6試合を含む8試合で安打を打ち本塁打も2本。猛打を振るっている。
日本ハムの矢澤は一番右翼で使われることが多いが、実は投手登録である。5月21日のオリックス戦では9回1イニングを零封している。二刀流で活躍するとなれば、新人王投票で記者を悩ませることになるだろう。
チームメイトの加藤豪将は、元メジャーリーガーながら特例で新人王資格が認められた。故障で出遅れ、まだ3試合に出ただけ。11打数3安打でこのランクに入らないが、ブルージェイズでプレーした実績がある。実力的にはここから十分に追いつく可能性があるだろう。