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「眼前に猪木が現れた」Sareeeが日本復帰戦で537人の観客に見せつけた“驚愕の投げ合い”…勝者の橋本千紘は「東京ドームで戦いたい」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/05/22 17:02
5月16日、新宿FACE。WWEから帰還したSareee(サリー)が、日本復帰戦で橋本千紘と名勝負を繰り広げた
橋本千紘が語った夢「東京ドームでSareeeと…」
「苦しかった。自分に負けそうになった。勝ったのは橋本千紘。でも、これが私のやるべきプロレス。オブライト、エルボー、ラリアット、逆エビ……みんな効きました。橋本、むちゃくちゃ成長していたなと感じた。悔しいし、情けない気持ち。死ぬ気で頑張ります」
敗れたSareeeは続ける。
「負けて言うのも何ですが、本当に日本のプロレス最強だなって改めて思いました。何度だって挑戦してやるよ。完敗だよ。橋本千紘、あんたの方が成長している。日本のプロレス最高だぜ。凄いプロレス見せていこうぜ。今日は負けちゃったけれど、次やったら絶対負けねえからな。勝つまでおめえのこと追っかけてやるよ」
ファンの「Sareeeおかえり!」の声には、「みんなただいま!」と叫んで深々と頭を下げた。
Sareeeは語気を強めた。
「今日、負けてしまったけれど、私は強さを追い求めていきたい。それは私にしかできないことだと思います。まだまだだなと思う。負けてなんかいられないですよね。駆け上がっていきます。私がやらなきゃ誰がやるんです? 私とやりたいという選手がいるなら、だれとでも正々堂々と戦いたい。私がやりたい相手はいます。彩羽匠。世志琥どこ行ってんだよ。私が帰ってきたのに。世志琥が戻ってくるリングは私が守っておくから」
勝者の橋本も、はっきりとした手ごたえをつかんでいた。
「これが戦いなのかな、と試合をしていてすごく感じた。Sareeeは私のすべてをぶつけることができる、ごくわずかな選手。最後はヘトヘトだったけれど、勝てたことは私にとっても大きなこと。私たちの女子プロレスを世の中に広めていきたい。東京ドームでSareeeと試合することが夢です」
たった537人から始まった物語が、5万人になったら素晴らしいことだ。そう胸を張って言えるだけの戦いを、2人は見せることができた。
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