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大谷翔平は「1種類ですよ」と笑っていたが…エンゼルスのブルペンで目撃した“4つのスライダー”とは?「一球一球、データを解析しながら…」 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO

posted2023/05/18 11:01

大谷翔平は「1種類ですよ」と笑っていたが…エンゼルスのブルペンで目撃した“4つのスライダー”とは?「一球一球、データを解析しながら…」<Number Web> photograph by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

15日のオリオールズ戦ではDH兼投手として先発した大谷翔平

 今回の取材中でも世界を封じ込めたボールへの自信をのぞかせている。

「自分の中でスライダーは打者ごとに“ここのスポット”に投げ切れば抑えられるという感覚があります。軌道に関しては細かなことは言えませんが、この変化をするスライダーを他に投げている人はいないと思う」(大谷)

 スライダーの増加に比例するように、投手での成績は上昇した。自分のミスさえなければ確実にバッターを抑えることが出来る球種がまさにスライダー。他に投げている人はいないーーMLBの強打者たちを相手に培ってきた自負が言葉にも表れた。

「スライダーは1種類ですよ」

 アストロズ戦前日のロッカールームで、さらにスライダーについてコメントを求めた。ブルペンでの投球練習の様子を見た時、データ機器を使いながら、いくつかのスライダー系のボールを投げ分けていたからだ。

「(感覚としては)スライダーは1種類ですよ。横に曲がっていくボールはスライダーだと思って下さい(笑)。スライダーは昔から投げてきているボール。1種類です」

 大谷は笑みを浮かべながら述べたが、実に4種類ほどのスライダーをアシスタント投手コーチ(主にデータ解析を行うコーチ)らと共に一球一球、データ解析しながら試行錯誤していた。

(1)ブーメランのように横にスライドしながら曲がっていくボール(これがいわゆるスイーパー)
(2)打者の手元で小さく横に曲がるボール
(3)腕を縦ぶりにして横に少し逃げながらスプリットのように縦に落ちるボール
(4)肘の位置を下げて、腕を横ぶりにしながら投じて横に滑っていくボール

【次ページ】 「大切なのは感覚とデータの一致」

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