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「広岡達朗ってどんな監督だった?」異端だった食事制限、結果出してすぐ去る…本人が語る真相「落合博満は理解できる。ただ説明を省きすぎる」

posted2023/05/13 06:05

 
「広岡達朗ってどんな監督だった?」異端だった食事制限、結果出してすぐ去る…本人が語る真相「落合博満は理解できる。ただ説明を省きすぎる」<Number Web> photograph by KYODO

監督としてセ・パ両リーグで日本一に導いた広岡達朗。12年前のNumberインタビューで語っていた監督論を特別公開する

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阿部珠樹

阿部珠樹Tamaki Abe

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KYODO

日本プロ野球史上、両リーグで日本一を果たした監督は、三原脩、水原茂、そして広岡達朗の3人しかいない。率いたのはすべて弱小球団。しかも短期間で結果を残す。その背景には、明確な理論に裏打ちされた指導法があった――。広岡氏がロングインタビューに応えたNumber782号(2011年7月7日発売)の記事『管理野球という名の革命』を特別に無料公開します。​〈全2回の2回目/#1へ〉※年齢、肩書などはすべて当時

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西武の監督時代「4年でリーグ優勝3回、日本一2回」

 スワローズを日本一に導いたあと、1982年からはライオンズの監督に就任していきなり日本一になる。4シーズンでリーグ優勝3回、日本一2回。

「ライオンズは石毛宏典、伊東勤、松沼兄弟といった若手と田淵幸一、山崎裕之、大田卓司のようなベテランがいたんだが、ベテランは技術はしっかりしている。ただ、食生活やトレーニングがいい加減だったんで技術を生かすコンディションが整わない。逆にいえば、常にベストコンディションで戦えれば、かならず優勝できると思った」

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 そこから導き出されたのが食事の摂り方だ。

異端だった「食事改革」の真相

「肉を食わせない管理野球」

 メディアは上っ面だけをなぞってそんな伝え方をしたが、広岡の考え方は思い付きではなく、ロジックに裏付けられたものだった。

「肉を食うななんてひと言もいっていない。肉を食べてもいいけど、それを翌日の昼までにしっかり排出しなければ、毒素が残ってしまう。主食は白米でもいいが、全体食の玄米や胚芽米のほうがバランスがとれていて望ましい。身体を酸化させないために、血液を弱アルカリ性にすることが重要で、何をどのように食べればいいか、栄養学者に話をしてもらったり、実際の食事を具体的に教えたりした」

 打者は打ち込む、投手は投げ込み。試合のあとはビールを飲んで肉を食う。コンディションの維持なんでアマのやることだ。そんな考えの根強かった30年前の野球界で、広岡の考えは異端だった。しかし、結果がそれを正統にした。田淵や山崎がいいコンディションを維持し、コンスタントに活躍して2年連続日本一になった。今では食事の内容を気にしない野球選手などいない。

【次ページ】 石毛宏典に「そんなんじゃ原には勝てんよ」

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