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「オオタニは地球代表アスリート」WBCイタリア選手が語る“ニッポン愛”「タイセイからのヒットは一生忘れない」「スシ、ワギューも!」
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byKenta Harada/Getty Images
posted2023/03/25 11:00
大勢からヒットを打ったイタリアのアルベルト・ミネオ。彼に“ニッポン野球”の印象について聞いてみた
「試合翌日にはイタリアへの帰国便に乗らなくてはならなかったので、自由時間はほとんどなかったんです。あ、スシは試合前日に食べましたよ! それに肉が好物なのでワギュー(和牛)料理も! 東京に行くのは生まれて初めてだったから何も観れなかったことが心残り。いつか必ず戻りたいですね」
――NPB球団に入団するチャンスがあったら? 投手アレッサンドロ・マエストリ(オリックス)の前例もあります。
「マエストリのことは知っていますし、そうなったら最高ですね。日本のプロ野球からオファーがあれば喜んで飛んでいきますよ!」
――WBCを終えて、あなたの中に変化はありますか。
「大会に出たことで、新しい目標に立ち向かうエネルギーをもらったという実感があります。“アメリカから来た同胞たち”が日々見せてくれた、大会にかける意気込みやベースボールへの取り組み方に大きな刺激を受けました。(実力や年俸がずっと上の)彼らが練習中から土にまみれ、誰もがこの大会で試合に出たいと願っていた。そんな姿を見せられたら、こちら(セリエA組)も燃えないわけにはいきません。イタリアに帰国した今も体の中に火がついたままですよ」
イタリア球界の重鎮も「日本こそ模範だ」と
イタリア球界は今回のWBCをどう総括するのか。
同国連盟で長く代表広報オフィサーを務め、現在はWBSC(世界野球ソフトボール連盟)メディア部門で敏腕を振るうベテラン記者、リッカルド・スキローリ氏の見解はこうだ。
「イタリアにとって今回のWBCは大成功だったといえる。いずれも実力伯仲だった1次ラウンドを突破した成果はもちろん、それ以上に代表がチームスピリッツを見出したことが何よりの収穫だ」
「WBCでの代表選手たちは、メジャー組を筆頭にさまざまな制約から大会直前の合流を余儀なくされた。集団としてまとまるには時間が足りないし、連係も親交も噛み合わなくて当然だ。しかし、ピアザ監督とコーチ陣は素晴らしい仕事ぶりでチームを結束させた。9月にはチェコでの欧州選手権が控えるが、少なくとも次のWBC2026年大会まで彼らの職は安泰だろう」