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WBC決勝進出で身を固くした男・今永昇太(29歳)はなぜ米国との頂上決戦に抜擢されたのか?「僕ひとりだけ緊張していたと思います」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/21 20:30
WBC決勝のマウンド託された今永昇太(中央)。準々決勝のイタリア戦でもリリーフで好投を見せ村上宗隆(左)、源田壮亮(右)に激励をうけた
「試合展開とかによるでしょうし、正直全くわからないです」
8回大谷→9回ダルビッシュの”黄金リレー”も?
本人も詳細は明かさなかったが、一部では抑えに回って8回を大谷、9回をダルビッシュという“黄金リレー”の可能性を指摘する声も聞こえてきている。
まさに世界一をかけた最後の戦いに向けた特別態勢ということだ。
3大会ぶりの世界一奪回まであと1勝。まずは先発の今永が、どこまで米国打線を封じ込んで先取点を与えないかに、勝敗の行方は大きく左右されることになる。
「野球を終えたときに、このマウンドを真っ先に思い出すようなそんな投球をしたいって言ってきました。でも勝たなければ面白くないと思うので、最後はチームが勝てる、チームが勝つための先発の投球にしたいと思います」
大役に向けて今永は決意を語り、そして史上最強チームでの自分の最後の仕事をこう説明した。
「本当に最高のチームでしたし、ダルビッシュさんをはじめ大谷選手、本当に引っ張ってもらっている。ただメジャーリーガーの人たちにおんぶに抱っこじゃいけないと思うので、日本でやっている選手たちも頑張りたいと思います」
そう語る今永の口調には、もはや周東がホームに滑り込んだ瞬間のあの緊張感は、まったくなかった。
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