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「高3の日本選手権で生理に過緊張が重なって…」元200m日本記録、信岡沙希重が明かす“女性選手の苦悩”「現在、指導で意識しているのは…」

posted2023/02/23 11:03

 
「高3の日本選手権で生理に過緊張が重なって…」元200m日本記録、信岡沙希重が明かす“女性選手の苦悩”「現在、指導で意識しているのは…」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

2004年に200m23秒33の女子日本記録を打ち立てた信岡沙希重コーチ。現在、女子100m日本歴代2位の兒玉芽生を指導する信岡に話を聞いた

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荘司結有

荘司結有Yu Shoji

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Asami Enomoto

 昨年秋に女子100mで日本歴代2位となる11秒24をマークした兒玉芽生(23歳)。注目の若きエーススプリンターは、女子200m元日本記録保持者の信岡沙希重のもとで、世界選手権への個人出場を目指して研鑽を積んでいる。

 男性指導者が圧倒的に多いスポーツ界において、女性選手と女性コーチのタッグは珍しいケースだ。自身も100m・200mを中心に活躍し、スポーツ科学の博士論文も執筆した研究者でもある信岡は、現役時代の経験をいかにして愛弟子に還元しているのだろうか。

(全4回の4回目/#1#2#3からの続き)

体重管理や生理の面はだいぶ相談しやすくなった

 昨年12月16日の夕方。福岡大の陸上競技場には兒玉と信岡の姿があった。ボックスを使ったウエイトトレーニングに励む兒玉や陸上部の女子選手に対して、信岡は気さくにアドバイスを送る。

 信岡は福島千里が台頭する以前に、日本女子短距離シーンを率いた名スプリンターだ。早大からミズノに入社後、2004~08年に日本選手権200mを5連覇。女子200mの元日本記録保持者であり、世界選手権などに出場した。兒玉は恩師と同じミズノに進み、現在も福岡大に拠点を置いている。

 大分県の高校生だった兒玉は信岡に「一緒に世界を目指そう」と勧誘され、福岡大に進学した。小学校から高校までは男性指導者のもとで競技を続けており、「指導者の性別を特に気にしたことはありませんが」と前置きした上でこう話す。

「実際に指導してもらってから体重管理や生理の面はだいぶ相談しやすくなったと気づきました。初めての一人暮らしだったので食事面で戸惑うこともありましたが、色々と相談に乗ってもらって。体重のコントロールが上手くできるようになったのは、女性の先生でよかったなと思う点ですね」

まずは基礎体温を測るように指導していますね

 昨今は女性アスリートの生理不順や過剰な体重管理が問題視され、現役選手や元アスリートが自身の経験を公に語るケースも増えてきた。信岡も現役時代に生理の悩みを抱えていたという。

【次ページ】 いちアスリートの前に女性であることを意識すべき

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