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クラスターを起こさないために…コロナで進化を遂げた“バスケットのホイッスル”の秘密とは? 担当者を直撃「学校体育の現場にはもってこい」
posted2023/02/23 17:00
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph by
Getty Images
世界を一変させた新型コロナ。スポーツ界は次第にかつての姿を取り戻そうとしているが、ウィズコロナの新たなスタイルが定着した分野もある。例えばバスケットボールではBリーグをはじめ、インカレ、ウインターカップといった大会で、レフェリーがホイッスルカバーを用いるようになった。これは言うまでもなく飛沫感染を防ぐため。ホイッスルからの飛沫を原因としたクラスターが複数発生したため、2020年、JBAがホイッスルカバーの使用についての取り決めを発表した。
ホイッスルカバーには、ホイッスルを袋のようなものに入れるもの、ホイッスルに暖簾のようなマスクをかぶせるものなどがあるが、音の劣化や衛生的な課題が指摘されてきた。
だが'22年11月、そうした課題を解決するホイッスルが日本で売り出された。米プロテクターホイッスル社が開発した、その名も『プロテクターホイッスル』(税込2200円)だ。同商品の輸入販売元であるムトーエンタープライズの清遠興一さんが言う。
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「弊社営業からホイッスルをカバーする商品を販売したいとの要望で海外のスポーツ用品をリサーチし、この商品を見つけました。同社は2020年、飛沫の上空拡散を抑え、掃除も簡単にできる取付式のホイッスルシールドを開発したのですが、それだけでは満足せず、飛沫を98%削減するプロテクターホイッスルを完成させたのです」
飛沫を飛ばさない秘策とは
カバーのないプロテクターホイッスルが、なぜ飛沫をシャットアウトできるのか。それは通常上側についた穴が下側にあり、さらに飛沫が飛び散らないチャンバー構造という工夫が施されているからだ。またマウスグリップにはFDA(アメリカ食品医薬品局)に認可された食品グレードのシリコンが使われるなど、人体への影響も十分に配慮されている。穴が下についていても音の響きにはまったく支障がなく、清遠さんによるとすでにバスケットボールを中心とした米プロスポーツ、大学スポーツの現場で使用されているという。
バスケットボールでの感染抑止のために開発された、飛沫の飛ばないプロテクターホイッスル。だがマーケットの拡大を目指す清遠さんは、競技を超えた可能性を見出している。
「バスケットボールだけじゃもったいないと思います。子どもたちが不安なく運動できるためにも、例えば学校体育の現場にはもってこいではないでしょうか」
たしかに、もっともである。