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話題を呼んだ「楽天さんの赤いケージ」 プロ球団、強豪校も愛用する“野球のバッティングケージ”はいかにしてロングセラーになったのか
posted2023/02/05 06:00
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph by
KYODO
野球場は緑の防球ネットだらけ。打撃練習に欠かせないケージは、よく見るとさまざまな種類があることがわかる。その中でも蛇腹のフォルムが印象的なロングセラー商品がある。ルイ高のバッティングケージアルミ『RT-B056010』(税込104万5000円)だ。
広島、楽天、ロッテと3球団の本拠地で使用されるルイ高ケージは、高校、大学のグラウンドや全国の球場で使用される人気商品。高校では、駒大苫小牧、早稲田実業、敦賀気比、履正社、広陵と錚々たる校名が並ぶ。
スポーツ器具の多くがそうだったように、ケージもかつては鉄製だった。だが19世紀に発見された“若い素材”アルミが、やがて台頭。ルイ高は1999年、日本メーカーとして初めてアルミ製ケージを開発する。
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同社の管理営業部責任者の岩藤浩司さんが、アルミの長所を苦笑交じりに説明する。
「アルミは鉄に比べて比重が3分の1程度と軽いので、少人数で安全に組み立てや移動ができます。また鉄のようにすぐ錆びないので耐久性がいい。おかげで発売以来、買い替え需要が皆無で、そこは痛しかゆしなんですが」
評判のきっかけは楽天だった?
メジャーリーグのケージを日本流にアレンジした同社のアルミ製ケージは組立式で、3つの大きな創意工夫が凝らされている。
まずネットが2重で内側につけられているため、打球がフレームを直撃することがほとんどない。またタイヤの着脱が簡単にできるため、練習中にケージ下からボールが抜けることはなく、移動も楽ちん。そしてなによりも大きいのが、簡単に組み立てができるところ。リノフックという機能によって、蛇腹の背骨となる支柱を工具不要のワンタッチで着脱できるため、たった2人でも5分もあれば組み立てと折り畳みができてしまうのだ。蛇腹を畳めば、重ね置き収納も可能。アルミの軽さは、時短と省スペースを実現した。
安全性と機能性を両立するルイ高ケージは評判が評判を呼び、次第に売り上げを伸ばしたが、とりわけ2012年から'13年にかけてはよく売れた。なぜか。
「'12年に楽天さんにチームカラーの赤いケージを収めたんです。色だけでなく、立てた状態で移動、保管ができるカスタマイズをしたわけですが、これが非常にインパクトがあるということで話題になりまして」
機能的で安全で、しかも格好いい。さすがは20年間モデルチェンジ不要のロングセラーなのである。