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「あんな弱い奴に何ができる、とバカにされ…」デビューから15年、スターダム王者・朱里が女子プロレス大賞に輝くまで《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/12/27 17:04
2022年、朱里はワールド・オブ・スターダム王座を10度防衛し「女子プロレス大賞」を受賞。12月29日には元同門・ジュリアとの大一番に臨む
“モノが違う女”の食へのこだわりとは?
朱里は酒を飲まない。食事の時も口にするのはウーロン茶や水だ。以前は営業で仕方なく飲まざるを得なかったこともあったが、「現役の間は飲まない」という選択をした。「何年か前にイヤなことがあって、『ごめん、今日は迷惑をかけます!』って友達に断わりを入れて、思いっきり飲んだ」のが最後だったという。
「その代わりじゃないですけど、甘いものを食べると幸せな気持ちになれる。かぼちゃケーキとかチーズケーキが好きですね。ケーキはあまり甘くないのがいい。海外のは甘すぎてキツいですね。あと『なんでこんなに色付けた?』っていうのもあるし(笑)」
体が資本のプロレスラーだけに、食にはこだわりがあるようだ。
「食事はバランスのいい定食系が好きですね。最近、食の好みが変わってきました。肉も好きなんですが、『大戸屋』に行ってホッケ頼んだりしています(笑)。焼肉では、タン、レバー、ハラミが好きです。サシの入った白っぽい肉は、苦手ですね。そんな食べ物は気にしているわけではないけど、脂が多いのは好きじゃないです。揚げ物もあんまり……。変わり種だとウサギやワニも食べたことありますが、やっぱり牛の方がいいです(笑)」
一方で、食に関するちょっとした“課題”も抱えているという。朱里は苦笑しながら、こう打ち明けた。
「私、やたら食べるのが早いんです。それは直さなきゃ(笑)。男社会だったので、先輩を待たせちゃいけないって思って、そういう癖がついたのかなぁ……」
「DDMは最高だったと思います。ただ…」
話はスターダムに戻る。朱里はDDMに対して、特別な思い入れがあった。
「DDMは最高だったと思います。ただ、個人的にはちょっと悩んでいた。私はあくまでもトップを狙うためにスターダムにやってきたんです。DDMのみんなのことは大好きで、それぞれすごい選手だけれど、本気で上に行くためには、そこに留まっているわけにはいかない。むしろ彼女たちが強いからこそ、『自分がDDMにいなくても大丈夫だろう』と思うようになった。自分のユニットを立ち上げて、真っ向からぶつかってみたい、と」
その答えが今だ。
「ジュリアとは12月29日、両国国技館で試合ができる。もちろん嬉しいだけじゃなくて、変わってしまった部分もあるし……。でも、互いにすべてをぶつけ合って、最高の試合ができるはず。激しい試合になるでしょうね。自分はドンと構えて、お互いが持っているものをぶつけ合う。体も、気持ちの部分でも」