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「ブラボー!」GI初制覇、石川裕紀人はお立ち台で叫んだ…“転向組”の上がり馬・ジュンライトボルトはいかにチャンピオンズCを勝ったのか?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/12/05 17:00
チャンピオンズカップを制し、人馬ともにGI初制覇となったジュンライトボルトと石川裕紀人
圧倒的1番人気・テーオーケインズの敗因は?
単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたテーオーケインズは4着に敗れ、史上2頭目の連覇はならなかった。スタートでやや後手を踏んだものの、すぐにリカバーし、馬群の外目をスムーズに進んだ。いつでも前をかわせそうなポジションだったが、昨年のこのレースや前走のJBCクラシック(1着)で見せたような末脚は発揮できなかった。
「直線で思った以上に一杯になっていました。返し馬では落ちついていて、それがいいほうに出ればと思っていたのですが、いつもとは違った面がありました」と、騎乗した松山弘平は話している。
JBCクラシックと同年のチャンピオンズカップを勝った馬は1頭もいないというデータが示すように(テーオーケインズは昨年JBCクラシックで4着)、2つの砂王決定戦を、比較的間隔の詰まったローテーションで連勝するのは、やはり厳しいということなのか。目に見えない疲れがあったことぐらいしか、敗因は考えられない。
勝ったジュンライトボルトは、友道調教師によると、来年のフェブラリーステークスやドバイ国際競走を目指していくようだ。
ワールドクラスの能力の持ち主だし、ヴェラアズール同様、パワーを求められるヨーロッパの芝でも力を発揮できるタイプだけに、夢がひろがる。
砂の新王者の今後が楽しみだ。