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1頭だけ伸びが違う…マイルチャンピオンシップで突き抜けた3歳馬セリフォスの“ハンパない強さ” 騎手も「海外のどこに行っても通用する」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/11/21 12:30
11月20日に行われたGIマイルチャンピオンシップにて圧巻の勝利を収めた3歳馬のセリフォス
この秋は“GI4戦すべて”で3歳馬が馬券に
3歳馬による勝利は、2018年のステルヴィオ以来、4年ぶり6頭目。
父のダイワメジャーは2006、07年にここを勝っており、レース史上初の父仔制覇となった。父は切れるタイプではなく、後ろから迫られても抜かせない強さを見せていた。凄まじい末脚を使うセリフォスはタイプが異なるように見えるが、キャリア8戦で5勝、2着1回、4着2回と高いレベルで安定しているところは父によく似ている。
開業9年目の中内田調教師は、これまで2歳GIを3勝していたが、これが初めての3歳以上のGI制覇となった。
この秋は、スプリンターズステークスでウインマーベルが2着、天皇賞・秋でイクイノックスが1着、ダノンベルーガが3着、エリザベス女王杯でライラックが2着同着、そして今回と、3歳・古馬混合GI4戦すべてで3歳馬が馬券に絡んでいる。
今週のジャパンカップ、来週のチャンピオンズカップでもこの流れがつづくのか、注目したい。
ルメールがレース後に明かした“敗因”
2着のダノンザキッドは、直線で馬群を割って抜け出し、2020年のホープフルステークス以来の勝利になるかと思われたが、一気にかわされた。前が塞がることを恐れず、馬群の後ろで進路ができるのを待った北村友一の騎乗も光った。昨年のこのレースでも3着と好走しており、「同厩の人気薄(は怖い)」という格言どおりの結果になった(同じ安田隆行厩舎で4番人気だったダノンスコーピオンは11着)。
3着のソダシは、好位4、5番手につける正攻法の競馬をした。直線で牡馬たちに挟まれ、体勢を立て直すためか、手前を替えた局面もあった。沈んでもおかしくない厳しい競馬になりながら、最後まで失速しなかった。やはり、ワンターンのマイルでは、牡馬の一線級にまじってもトップクラスの強さだ。芝のマイルでは初の黒星となったが、悲観する必要はない。これからも「つよ美しい」走りを見せてくれるだろう。