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[連覇叶わず]高津臣吾「似た者同士を分けたもの」
posted2022/11/04 07:04
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Nanae Suzuki
先に2勝を挙げながら、まさかの4連敗で夢潰えた。勝ちたかった。手放した流れを取り戻せなかった。悔しさを忘れることのない、痛恨の敗戦であった。しかし、指揮官の目線はすでに前を向いている。
高津臣吾が、泣いた。
試合が終わり、ライトスタンドに向かって一礼すると、監督は泣いていた。
シーズン中は睡眠が浅く、「難しい」「なんとかやってます」といった言葉を吐くことが多い監督だが、そうした感情をポジティブに変換する力を持つ。7月のコロナ禍による選手、スタッフの大量離脱を乗り切り、迫ってきたベイスターズを突き放した。しかし、今回ばかりはバファローズに寄り切られた。
「悔しい。この悔しさは絶対に忘れちゃいけない。常に満員のお客さんを前にして試合が出来たことはすごく幸せに思いましたし、最後は勝って終わるところをお見せしたかった。それが叶わず、申し訳ない」
日本シリーズが始まる前、「去年のシリーズのトラウマというわけじゃないんだけど……」と苦笑しながら、監督は苦戦を予想していた。
「戦う前から、もうしんどい。去年日本一にはなったけれど、本当につらい日本シリーズだったので、その思い出が甦ってくるんですよ。しかもバファローズのブルペン、今年は良くなってますよね。もちろん、うちの先発も充実しているし、交流戦では勝ち越したけれど、その時とは違うチームになっている。普通に考えたら、大量点を取るのは難しいでしょう。ロースコアの競り合いになるだろうと想像すると、胃が痛い。簡単にいくわけがないです」