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イクイノックスが見せた「ラスト2完歩の逆転劇」 観客を沸かせた大逃げ、強さを証明した3歳世代…天皇賞・秋はなぜ名レースになった?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/10/31 12:26
10月30日、天皇賞・秋で優勝し、GI初制覇となったイクイノックス
パンサラッサが見せた“強靭な二の脚”
1馬身差の2着は、大逃げでスタンドを沸かせた7番人気のパンサラッサ。上がりタイムはイクイノックスより4秒以上遅い36秒8だったが、それでも、最後に「歩いた」わけではなかった。強靱な二の脚を使い、イクイノックス以外には抜かせず、銀メダルを手にした。ここ数戦、ゲートからの2、3完歩目が遅くなって、押されてようやくハナに立つ感じだったのだが、この日は楽に先手を取っていた。こうしてスムーズにスタートを切ることができれば、枠順に左右されることなく、またワクワクするような逃走劇を見せてくれるだろう。
3着は4番人気のダノンベルーガ。パンサラッサに首差だけ差し届かなかったが、上がり32秒8というイクイノックスに次ぐ末脚を繰り出し、今年の3歳馬のレベルの高さを証明した。
そこから半馬身遅れた4着は3番人気のジャックドール。好位で折り合い、抜け出しかけたが、及ばなかった。結果論だが、もう少し序盤から飛ばしてパンサラッサに近いところにつけ、最後は流れ込みを狙う形にしたほうがよかったかもしれない。
昨年のダービー馬シャフリヤールは、さらに2馬身離された5着。やはり帰国初戦だったことか響いたか。
今年の皐月賞馬ジオグリフは、直線で伸び切れず、9着。プラス14kgでも太くは見えなかったが、らしくなかった。ここを使った変わり身に期待したい。