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顔が豪快に取れるハプニングも発生…国立競技場に25体が集結“ゆるキャラリレー”の真の勝者は?「きょうが人前に出るのは最後」の衝撃告白も 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byHirofumi Kamaya

posted2022/10/30 17:01

顔が豪快に取れるハプニングも発生…国立競技場に25体が集結“ゆるキャラリレー”の真の勝者は?「きょうが人前に出るのは最後」の衝撃告白も<Number Web> photograph by Hirofumi Kamaya

顔が取れるハプニングの後、顔だけ逆さまになってしまった「ちょうせい豆乳くん」選手。彼にとってもまた、このリレーは絶対に負けられない一戦だったという

昨年冬、左膝の前十字靭帯を断裂

 総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」で購入した2380円のクッションの中綿を抜き、自ら裁縫して被り物にリメイク。ゆるキャラとしてスタンドに立ち、仲間たちのレースを盛り上げた。 たとえ試合で代表には選ばれなくても、応援席に活躍の舞台を求めた。

 中央大を卒業後は、会社員をしながら競技を続ける一方で「マッスル根岸」としての活動も続けてきた。2019年5月には、日本陸連から声をかけられ国際陸上連盟の公認大会である「IAAF世界リレー横浜大会」のスタンドにも登場。公認キャラ、とはいかないまでも“黙認キャラ”として陸上界を大いに盛り上げ続けている。

「ゆるキャラリレー」には並々ならぬ思いがあった。昨年冬、左膝の前十字靭帯を断裂し12月に手術。長いリハビリと不安な思いを乗り越え、約1年の時を経てトラックに帰ってきた。

「今日のために懸命にリハビリしてきました。ずるいと言われても、観客の皆さんに喜んでもらえるように全力で走りきります!」

最終走者で顔が取れるハプニングが…

 誰にも譲れない100%の陸上愛を胸に、「マッスル根岸」は今優勝のゴールテープに向かって走り出す、はずだったが……。その視界のはるか先に、怪しげなゆるキャラが転がらんばかりの激走を見せていた。青い長方形の箱型に刺さったストロー、その名は「ちょうせい豆乳くん」だ。

 がむしゃらに手を振り回し力走する「ちょうせい豆乳くん」。と突然、その“顔”が豪快に外れて、トラックに転がり落ちた。観客席からどよめきが起きるなか、“顔”を置き去りにしてもなお疾走するその足がゴールラインを駆け抜け、ドラマチックな戦いに決着の時は訪れた。優勝タイムは2分16秒31。5レーン「チームちょうせい豆乳くん」の圧勝だ。

公式から「格下げ」されていた「ちょうせい豆乳くん」

「いやぁ、取れちゃいました」

 手に“顔”を持ったまま勝者の誉を受けた「ちょうせい豆乳くん」が思わずつぶやいた。

【次ページ】 配信とかをしていたけれど、稼げてはいないカブ

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