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“レースクイーン不要論”にレースクイーンの女王はどう答える? 「私たちをなくしたら、日本のモータースポーツはもう“終わり”です」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byShiro Miyake
posted2022/10/23 17:01
今年で8年間にわたるレースクイーン人生に終止符を打つ近藤みやびさん。これまでの活動と日本でのレースクイーンの必要性について聞くと…
レースのことで気になったことがあっても…?
――予選や決勝の時に、レースのことで気になったことがあってもチームの人に話しかけたりはしないですか?
近藤 それもできないですね、まったく。戦略についても聞けないので、レース後に記事が出て、「なるほど! あの戦略はそういうことだったのかー!」ってファンの人と同じようにメディアを通して知っています。なので、声をかけたりできないですが、レース中は本当に間近で見ているファンのような気持ちで戦況を見守っています。
――これまでレースクイーンをやってきて感じたレースの魅力ってどのようなものなんでしょうか?
近藤 日本のトップカテゴリだと、ドライバーがチームで戦うSUPER GTとドライバーが1人で戦うスーパーフォーミュラという2つがあるんですけど、それぞれに違った楽しさがあります。
レースクイーンはレースが好きでないと長く務らない
――それぞれの楽しさを教えてください。
近藤 SUPER GTは親しみのある乗用車を改造して走っているので、「見たことある車がサーキットを走っている!」と老若男女いろんな方が見て楽しいレースだと思います。ドライバーもチームでレースをするので団体戦というのが面白いポイントなのかなと思います。
スーパーフォーミュラはとにかく速さの勝負なんですよね。エンジンとかは違いますけど、タイヤは一緒で。SUPER GTみたいにポイントを重ねていくとウエイトハンデが付くというルールもないので、常にフラットな勝負が見られるのが魅力ですね。乗用車と違ってガラスなどで守られていないので、見ていると「危ないよ」って思うような、スリルが味わえます。
――そんな魅力のあるレースに携わってきた近藤さんですが、今年いっぱいでレースクイーンを卒業することを6月に発表しました。
近藤 あっという間の8年間でした。私自身、まさか8年も続くとは思っていませんでした。レースクイーンは今までお話ししてきたように体力的にも見た目以上に厳しくレースが好きでないと務まりません。1年1年違ったコスチュームを着れる楽しみがあったりして、飽きなかったのもありますけど、よく8年間もやってきたなと。レースクイーンの仕事からは離れますが、別にレースが嫌いになったというわけではなく、もともとファッションモデルをやりたいと思って、この業界に入ってきたので、その夢を実現するために、区切りをつけることにしました。レースの世界から離れるのは、すごい苦しかったですけど、ずっと抱いてきた夢だったので、そちらに専念するために今回こういった決断をしました。