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“レースクイーン不要論”にレースクイーンの女王はどう答える? 「私たちをなくしたら、日本のモータースポーツはもう“終わり”です」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byShiro Miyake
posted2022/10/23 17:01
今年で8年間にわたるレースクイーン人生に終止符を打つ近藤みやびさん。これまでの活動と日本でのレースクイーンの必要性について聞くと…
近藤 メカニックさんがいろいろ作業をしているので、それを邪魔しないような場所とかを見つけて移動しています。レース直前は監督、ドライバーさん、エンジニアさん、メカニックの方が真剣に話していることが多いんですが、私たちは傘をさすため近くにいなきゃいけないんです。ただ、あまり近くにいすぎると、集中しづらいかなと思って、私はあまり近づきすぎず、ドライバーさんの視野にも私というレースクイーンを入れないようにしています。
傘をさす時に意識していること
――レースクイーンは目立つ印象ですけど、ドライバーにとっては目立たないようにしているんですね。
近藤 だって、自分がドライバーで集中しているとして、視界に入ってくるレースクイーンがいたら超邪魔じゃないですか(笑)。だから私は腕を伸ばして、できるだけ視界に入らないように、背後から傘をさすように心がけてやっています。
――カメラが来るときもですか?
近藤 カメラが来た時は気持ちちょっとだけ顔を近づけるくらいです(笑)。そうでない時は、ずっと背後に腕を伸ばして傘を持って……と、それを続けていると腕がキツいんです。意外とそれができていない女の子って結構いて、「近くない?」って思ったりします(笑)。
サーキット場でドライバーに話しかけることは「絶対ない」
――撮られる仕事ではありますが、カメラを持ったファンの方とトラブルになったことはありませんでしたか?
近藤 今はコロナもあってないんですけど、決勝前のグリッドに人がたくさんあふれた時は盗撮の被害とかはありました。ピットウォークでもローアングルで撮っていたりすると、「コントローラー」さんと呼ばれるチームのマネージャーさんが見てくれて、場合によっては注意してもらっています。なので、今はあんまりないかな、って感じですかね。
――レーサーと接点が多い仕事だと思うのですが、レーサーからお誘いを受けたりは?
近藤 ないです、あんまり。私、第一印象が非常に悪いので(笑)。とっつきにくく見られるので、メッセージを送ってくる勇気が出ないんだと思います。狭い世界でレースクイーンとドライバーで結婚しているケースもたくさんあるので、そういった出会いはあるんだろうな、とは思いますけどね。
――サーキット場でドライバーさんと会話することはあるんでしょうか?
近藤 いや、ないですね。少なくともこちらから話しかけることは絶対ないです。「お疲れ様です」とか最低限の挨拶をすることはありますが、こちらからそれ以外で話しかけるということは一切ないです。