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“レースクイーン不要論”にレースクイーンの女王はどう答える? 「私たちをなくしたら、日本のモータースポーツはもう“終わり”です」
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byShiro Miyake
posted2022/10/23 17:01
今年で8年間にわたるレースクイーン人生に終止符を打つ近藤みやびさん。これまでの活動と日本でのレースクイーンの必要性について聞くと…
――レースのある日曜はどのようなスケジュールなんでしょうか?
近藤 決勝の前もやることが結構あるんです。まず、レース前のステージが朝イチ8時からだったりするとホテルを7時には出たい。自分でやるメイクやヘアセットなどを逆算していくと、起床は午前5時半とかになっちゃいますよね。だから土曜は早く寝たいんです(笑)。
――ステージを終えた後は?
近藤 決勝のグリッド周辺でのお仕事以外は土曜とあまり変わりはなくて、ステージの後はピットウォークがあり、スーパーフォーミュラだと夕方にもステージがあるという感じですね。SUPER GTだと夕方のステージはないです。
決勝のレース前、レースクイーンの大事なお仕事
――決勝レースのスタート地点である「グリッド」の周辺では何をしているんですか?
近藤 グリッドボードを持って車がスタートする位置で待つというのがレースクイーンのスタート前の大きな仕事です。グリッドボードを持つのも結構大変なんですよ、意外と重くて……。ヒール履いていて、風が強いとまっすぐ持っているのも難しい時とかあったりするんです。
――そうして待っているとレース前に1周した車がグリッドボードめがけてやって来るわけですよね。
近藤 車が私の目の前本当にギリギリまで来るので、「ひくなよ、ひくなよ」って思いながら、グリッドボードをずっと持っています(笑)。レースクイーンでないと経験出来ないドキドキする瞬間ですよね。しかもお客さんもレース前で、視線がグリッドに注がれていて、気が抜けない。ポージングというわけではないですけど、キレイに立って、かっこよく見せなきゃいけない時間が1時間くらいあるので、力がずっと入って、すごい腰が痛くなります。
あの傘はどのようにさしている?
――その後、レースの直前には、ドライバーに日傘をさすこともありますよね?
近藤 ドライバーに太陽の陽が当たらないように傘をさしています。ドライバーの方が立っていたらラクではあるんですけど、シートに座ったりしていると、傘を下に降ろさなくてはいけないんですね。傘を低く持って「低い低い」って腕を震わせながら思ったりして。ドライバーさんが車を降りてから20分くらいずっと傘をさしてついていくので、結構腕がパンパンになりますね。それこそ傘をさしているときも背筋を伸ばして、どこかで写真を撮られているかもって意識しながらなので、常に体は緊張状態ですね。
――マシンの近くにいるとメカニックさんが作業していたりしますよね?