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イチローのマリナーズ若手たちから“慕われる”日々…21歳の“弟分”は連日キャッチボールをお願い「良い意味で想定外でした」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2022/10/11 17:00
イチローさんと“弟分”の21歳、フリオ・ロドリゲス
01年、新人だったイチローさんは、シーズン242安打を放ち、打率.350、56盗塁でチームを牽引し、1906年のカブスに並ぶシーズン最多の116勝を挙げる原動力となった。2位アスレチックスを引き離すこと14ゲーム。圧倒的な強さでポストシーズン進出を果たしたが、そこにウイークポイントもあったとイチローさんは振り返る。
「何がなんでも勝たなきゃいけない状況でのゲームは、シーズン途中のゲームとはまったく違う。それを乗り越えなければプレーオフでは勝てません。僕らは(01年の公式戦で)勝ちすぎてしまい、どうしても勝たなきゃいけない試合がなかった。そういう意味で経験がなかったのは痛かった。初めてそれを経験したのがクリーブランドとのプレーオフ(地区シリーズ)でした。それはなんとか凌ぎましたが、(リーグ優勝決定シリーズでの)ヤンキースの壁(1勝4敗)は大きかった。21年ぶりのプレーオフでは是非ともその壁を打ち破ってもらいたい」
「経験を積めば、このチームは良いチームになれる」
地区シリーズの相手は同地区最大のライバル・アストロズ。レギュラーシーズンでは16ゲームを離された相手にリベンジはなるのか。今季の対戦成績は7勝12敗も5試合制の短期決戦では勢いを掴み取った方に勝機は転がり込む。
中堅・ロドリゲス、捕手・ローリーが台頭し、遊撃手には走攻守に安定するクロフォードがいる。投手陣とともに強いチームに必要とされる『センターライン』が固まった感は強い。イチローさんはエールを送った。
「経験を積めば、このチームは良いチームになれる」
マリナーズはメジャー30球団で唯一ワールドシリーズに進出したことのないチームとしても名を残す。21年ぶりに負の歴史にピリオドを打ったチームは、もうひとつの不名誉な歴史にも幕をおろすことはできるのか。あと7勝。イチローさんも期待している。
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