「ここ数年、PCS（演技構成点）が伸びないことは気にしていました。去年から、素晴らしいトップスケーターを間近に見る機会に恵まれるようになり、彼らの滑りを研究して、自分流に取り込んでいくようになり、PCSが伸び始めたという手応えを感じています」

「まず羽生選手の跳び方を研究し…」

　4回転アクセルについては、こう話した。

「4回転アクセルを試そうと思ったのは、羽生結弦選手がきっかけです。羽生選手は、成功させようという意思が誰よりも強く、成功に一番近づいている選手でした。なので、まずは羽生選手の跳び方を研究し、それを自分流のアクセルに転換して、試していったんです。なかなか着氷が上手くいかない時は、どこに課題があるのかを考え、研究して解決方法を見つけて行きました。今は、どう跳べば成功するのか、その理論はもう理解できて、感触がつかめるところまで来ています」

ジャパンオープンの演技冒頭で4回転アクセルを試みたマリニン　©︎JIJI PRESS

　そう自信を見せる通り、前日の練習では、ほぼ100％の確率で成功していた。その4回転アクセルを間近で見た宇野と三浦に、改めて感想を聞くと、まず宇野はこう答えた。

「皆さんは華がある新しいジャンプに目が行きがちだと思いますが、僕が刺激を受けたのは4回転アクセルではなく、他の4回転のクオリティです。他の選手よりもすごくラクに、安定して素晴らしいクオリティのジャンプを跳んでいる。何か（ラクに跳ぶ）やり方があるんじゃないかな、と考えながら練習していきます」

「4回転をまるで3回転かのような軽さで跳べちゃう」

　すると三浦もこう続けた。

「前日練習では本当に4回転アクセルの失敗がなかったですし、すべての4回転をまるで3回転かのような軽さで跳べちゃうんです。『どうやったらあんなに簡単に跳べるんだろう、何かがきっとある』と思いながらずっとマリニン選手を見ていました。それを見つけたいですね」

「楽そう」「簡単そう」という宇野と三浦。するとマリニンはその意見に対し、こう答えた。

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