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《F1日本GPの見どころ》タイトル確定を期すフェルスタッペン、31年ぶり母国Vを狙うホンダ、鈴鹿を愛したベッテルのラストラン

posted2022/10/07 11:02

 
《F1日本GPの見どころ》タイトル確定を期すフェルスタッペン、31年ぶり母国Vを狙うホンダ、鈴鹿を愛したベッテルのラストラン<Number Web> photograph by Getty Images

今季限りの引退を表明している35歳のベッテル。07年にF1デビューし、10年から13年はレッドブルで4連覇を達成した

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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 3年ぶりに日本にF1が帰ってきた。10月7日、三重県の鈴鹿サーキットで、F1第18戦日本GPが開幕する。

 多くの人たちがこの日を待っていた。鈴鹿サーキットによれば、すでに観戦チケットは完売。フリー走行が行われる金曜日の1日券のみが、一部のコンビニエンスストアで販売されるという盛況ぶりだ(10月5日現在)。開幕前にチケットが完売するのは、日本GP史上最多で、週末のべ36万1000人が詰めかけた06年以来、16年ぶりのことだという。

 これほど人気を集めている要因は、主に3つある。ひとつは、今回の日本GPがセバスチャン・ベッテルにとって鈴鹿ラストランになるということだ。

「鈴鹿は神が作ったコース」

 いまでは多くのドライバーに愛されている鈴鹿だが、ベッテルの鈴鹿愛は別格だ。それは初めて鈴鹿でレースをした09年に「鈴鹿は神が作ったコース」と称えていたことでもわかる。パンデミックで2年間、鈴鹿でF1が開催されない期間には「鈴鹿がないF1はF1ではない」というメッセージを発信。21年に中止が決まったときには「これでもう1年現役を続けるモチベーションが湧いてきた」と語っていた。

 そのベッテルがついに今シーズン限りでF1を引退する。ルイス・ハミルトン(メルセデス)と並んで鈴鹿で現役最多タイとなる通算4勝を挙げているベッテルには、もうひとつ鈴鹿での勲章がある。それはコースレコードホルダーだということだ。19年の予選で17年にハミルトンが記録した1分27秒319を更新する1分27秒064を叩き出し、ポールポジションを獲得。

「今年はポールポジション争いは難しそうだけど、とにかく全力でアタックしたい」と最後の鈴鹿に胸を躍らせていた。

【次ページ】 3年ぶりの母国開催

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