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愛馬“オマタセシマシタ”が好きすぎる、ジャングルポケット斉藤慎二に聞いた“馬主って大変ですか?”「どうしてこんなに、というくらい可愛い」
text by
軍土門隼夫Hayao Gundomon
photograph byYuki Suenaga
posted2022/10/05 11:05
ジャングルポケットの死をきっかけに馬主となったジャングルポケット斉藤。愛馬オマタセシマシタとの出会いについて話を聞くと…
斉藤 いやあ、本当にたいへんでした。まったく何も知らなかったので、放送作家さんに付き合ってもらいながら手続きを進めたんですが。
――地方競馬の個人の馬主登録取得の要件は、原則として直近年の所得金額が500万円以上というものです。
斉藤 正直、そういうのを満たせば、あとは紙1枚出せば登録できるのかなと思っていたんです。ところが書類はたくさん必要だし、書くところもたくさんあるし。今は携帯でなんでもできちゃって、あらためてこんなにたくさん字を書くことってないなと思いました。
地方競馬でこれだけたいへんなんだから、中央は…
――時間もかかりましたか?
斉藤 申請から馬主登録証が届くまで、半年ぐらいかかりました。でもJRAの馬主になるのはもっとハードルが高い(過去2年と、今後も継続的に得られる見込みのある年間所得金額が1700万円以上。また継続的に保有する資産の額が7500万円以上)と聞いて、地方競馬でこれだけたいへんなんだから、どれだけたいへんなんだろうと思いました。
――その後、オマタセシマシタはホッカイドウ競馬の田中淳司厩舎に入りました。大井の東京ダービーなどを制したハッピースプリントなどをホッカイドウ競馬時代に管理していた超一流厩舎ですよね。
斉藤 そうなんです、快く預かってくださって。この夏もJRAのクローバー賞に挑戦したジョリダムが勝って話題になりましたよね。ニュースを見ていて、こんなすごい人にお願いしてるのかとあらためて思いました。本当に恵まれているなと感じます。
――オマタセシマシタは今年の6月、北海道の門別競馬場で晴れてデビューしました。デビュー戦は6着。その後も3戦して9、7、4着と、まだ勝てていません。
斉藤 最初はどこかで勝てるのかな、なんて思っていたけど、やっぱり甘くはないですね。10頭出ていれば、それぞれ皆さん勝ちたい気持ちがあるわけですし。その中で1着は1頭だけという世界ですから。
出費は大きいが「それ以上のものをもらえてる」
――馬主になってみて、あらためて感じたことはありますか?
斉藤 レースを見て、こんなにも心臓がバクバクするのかと驚きました。本当に自分の娘のような感じです。馬券を買った馬を応援するとか、スターホースの走りに注目するとか、そういうのとは違う気持ちで、これは馬主にならないと味わえないと思いました。
――お金のかかり方はどうですか? やっぱりすごいですか?