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「お相撲さんのようなポッチャリ体型でも…」異色の日本ヘビー級新王者・但馬ミツロ(27歳)は何がスゴい?「僕は世界一」

posted2022/09/20 06:01

 
「お相撲さんのようなポッチャリ体型でも…」異色の日本ヘビー級新王者・但馬ミツロ(27歳)は何がスゴい?「僕は世界一」<Number Web> photograph by AFLO

日本人の父とブラジル人の母を持つ但馬。愛知・享栄高で競技を始め、中大時代に全日本ライトヘビー級を2連覇

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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AFLO

 今なお「日本人には不向き」とされるヘビー級に異色のチャンピオンが誕生した。8月14日、大阪で行なわれた空位の日本ヘビー級王座決定戦で、但馬ブランドンミツロ(27歳)が韓国王者のイ・ソンミンを初回69秒レフェリーストップによるTKOで勝利。プロ2戦目の日本タイトル獲得は最短記録である。

 外国選手が日本タイトルを戦えるのかと不思議に思うかもしれないが、ランカー不足の場合、東洋太平洋ボクシング連盟傘下の選手は挑戦できる。ちなみに愛知県碧南市出身の但馬も国籍はブラジルだから、実際には外国籍同士の日本ヘビー級タイトルマッチだったわけだ。

 ユニークで規格外――これが新チャンピオンの魅力である。まずそのサイズ。身長180cmはマイク・タイソン並みとこの階級では小柄だが、体重は4月のプロデビュー戦(56秒TKO勝ち)で123kg、2戦目は3kg絞って120kgとスーパーヘビー級だ。一見お相撲さんのようなポッチャリ体型でも、俊敏に動いて10kg近く軽いイを連打で圧倒した。

「同じフレーム(体格)なら僕は世界一」

 デビュー戦の但馬をみて驚いた。筆者の記憶にあるのは、アマの全日本選手権で最後に優勝した2015年まで。当時は81kgのライトヘビー級だった。7年の間に約40kgも増量して、まるで別人だったからだ。2年前にインタビューした際には「ゆくゆくはベストのクルーザー級でやりたい」と語っていた。今となっては無理ではないかと聞くと、ニヤニヤするばかり。どうやら覚悟を決めてヘビー級でやるつもりらしい。その方がリスクはあるが見返りが大きく、無理をしてでもヘビー級に転向する選手は後を絶たない。本人は「体重は増えても、ハンドスピードは変わらない」と主張している。

 かなりの自信家で弁が立つ。「同じフレーム(体格)なら僕は世界一」「まだ課題はたくさんある、でも僕のポテンシャルだったら面白いものが見せられる」などと豪語する。

 プロ2戦で計125秒と、1ラウンド分も戦っていない現時点ではまだ今後を見極めがたいが、強打とともにアマで磨いたテクニックは今後但馬の大きな武器となるに違いない。

 ポルトガル語と日本語を話すバイリンガル。本場米国に進出をすることを想定して、英語とスペイン語も学んでいると言っていた。

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