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プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
北大法学部卒→外資系企業から異例の転身…スターダムで奮闘する月山和香(30歳)はなぜプロレスラーになったのか?《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2022/09/09 17:02
北大卒業後、外資系企業での会社員生活を経てプロレスラーとなった月山和香。インタビュー前編ではそのユニークな経歴を振り返ってもらった
「舞台で共演したアクトレスガールズの林亜佑美ちゃんが家に泊まりに来た時に、私が筋トレしているのを見て『そんなに筋トレ好きならプロレスやれば? 見学来る?』と誘ってくれたんです。もちろん、プロレスなんて無理だと思っていました。でも、見学だけならとアクトレスガールズの練習に行ってマット運動やったら、前転ができる、後転ができる。『私、できるじゃん。私、健康じゃん。めっちゃ楽しい!』って。すぐに練習生になりました」
当時からプロレスに対して、まったくの無知というわけではなかったようだ。
「テレビでプロレスや格闘技を見ていました。後楽園ホールにも行きましたし、アクトレスガールズも1回見たことがあった。もちろん、自分がやるなんて思っていませんでしたけれど……。でも、縁はあったのかと思います。ちなみに、両親は私がプロレスをやっていることを知りません。ネットの記事とかも見ないと思うし、テレビもほとんど見ない。なんか浮世離れしているから、何をしているのと聞かれもしない。たぶん放任主義なんです」
娘がプロレスラーであることを両親が本当に知らないかどうか、筆者は疑問に感じた。本当は知っているが、黙っているだけなのでは、と。
「でも『1週間家を留守にする』と家族にLINEしても、誰も『なんで?』って聞かないような家なんですよ。あなたの人生だからどうぞお好きに、って感じ(笑)。お父さんは医者だから、プロレスをやっていると知ったらケガとか嫌がりそう。正気じゃないって言われるかな、昔ながらの人なので。『なんで大学まで行ったのに、プロレスやるの』って。言われたら傷つくので、秘密にしています。両親の悩みは増やしたくないですから」
アクトレスガールズからスターダムへ
デビューして半年が経った2021年4月、月山はアクトレスガールズがなくなるという話を聞かされた。しかし解散の正確な時期が決まらないまま話は二転三転し、5月、6月、さらに7月になっても、正式な発表がなかった。
「このまま自分の人生を預けることはできない」
そう考えた月山は7月、アクトレスガールズに見切りをつけた。そして9月には、スターダムのリングに上がっていた。<後編に続く>
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