井上　（大橋秀行）会長からLINEのメッセージをもらって知りました。もしかしたらとは思っていたんですけど、直後、実感は湧かなかったですね。いざなってみると、重圧ものしかかってきています。

——パウンド・フォー・パウンドでトップに立つのは目標の1つでもあったのでしょうか？

井上　ここ最近、ラスベガスでも試合を重ねていって、パウンド・フォー・パウンドのランキングが大事なんだなというのは改めて感じるようになっていました。アメリカで試合をしていく中で、目指していかなきゃいけないところなのかなと。正直、スーパーフライ級時代は、パウンド・フォー・パウンドの頂点が自分に近いものだとは思っていませんでした。まだ1位を取れるという感覚はなかったんです。

——アメリカで戦っていく中で、どういったところにその価値を感じるようになったのでしょう？

井上　そのランキングが注目を集めるんだなというのを感じるようになったんです。プロモーションの一環でも使われますよね。自分の価値を上げてくれるランキングかなと思っています。

——8月20日、ランキング2位のウシクがアンソニー・ジョシュア（英国）と再戦を行い、その内容次第でランキングがまた変わる可能性があります。そういった試合は気になるものでしょうか？

井上　気になりませんね。正直に言いますが、ウシクが来週、試合をするというのも今知ったくらいなので（笑）。ウシクは階級がぜんぜん違う選手というのもあります。1位になったのは誇りではありますけど、ランキングがどうなっていくか、どうなっているか、それほど気にしているわけではないです。

「伸びしろは正直、わからない」

——29歳にしてすでに世界最高のボクサーとして認められたわけですが、自身の伸びしろはどういったところに残っていると感じていますか？

©Naoki Fukuda

井上　伸びしろに関しては正直、わからないですね。どこがどれだけ伸びていくのか、っていうのはわからないです。ただ、今やっている自分のボクシングをどの相手にも当てはめることができるかというところは、自分自身の課題だと思っています。そこが伸びしろになるのかなと思っています。

——これまでは誰が相手でも例外なく強さを発揮してきたように見えますが、今後、適応の必要性が出てくるということでしょうか？

井上　今のところはその通りですね。ただ、スーパーバンタム級に上げて、背の高いボクサー、完璧なアウトボクシングをしてくる選手とか、そういった選手たちとどうかみ合わせていくかというところです。

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