井上尚弥が「ほぼ完璧ではなく、完璧」と言い切る“生涯最高のパンチ”とは？ 階級挑戦はフェザー級まで、“35歳で引退”にも言及

——ウェイト的には現時点でスーパーバンタム級がベストと話している記事を読みました。それは体重を落としている過程で感じることなのでしょうか？

井上尚弥（以下、井上）　その通りです。少し前からそれは感じています。スーパーバンタム級の体重であればもっと動けるだろうし、力も発揮できるのかなと思っています。とはいえ、それは自分が動けるというだけの話であり、より大きな相手にどれだけのダメージを与えられるか、自分が（被弾したときに）どれだけのダメージを感じるかというのはわかりません。そこは未知の世界になります。

——過去、スーパーフライ級、バンタム級と階級を上げるごとにより支配的と思える力を発揮してきましたが、その理由はどこにあったと思いますか？

井上　やはり減量から解放されたというのが大きいのでしょう。自分も含め、日本人ボクサーは減量し過ぎているというのはあるかもしれませんね。だから階級を上げていくにつれてパワーが増していく。スーパーバンタム級に上げたら、まだパワーが増しそうな気はしますし、より強いパンチが打てるんじゃないかと思っています。ただ、あくまで現時点ですが、フェザー級の体重だと身体が重いので、スピードは落ちますね。

スーパーバンタム級の2人の王者

——スーパーバンタム級に上げた際、ターゲットとなりそうなムロジョン・アフマダリエフ（ウズベキスタン）、スティーブン・フルトン（アメリカ）という2人の王者たちの印象は？

井上　まずアフマダリエフはハイライトを見たくらいで、しっかりと試合を見たことがないんですよ。技術がしっかりとしていて、普通に強い選手だなというイメージ。ウズベキスタンという国のアマチュア出身選手というイメージです。

——フルトンはどうでしょう？

井上　フルトンはブランドン・フィゲロア（アメリカ）戦だけ見ました。フルトンはテクニックがある選手ですね。自分の距離をしっかりとキープして戦う選手。ただ、フィゲロア戦しか見てなくて、あの試合は乱戦だったので、だからまだ何とも言えないところではあります。対戦したら、すごい技術戦になりそうだなというイメージはあります。やり易くはないんじゃないですか。リーチがありますし、距離の遠さをどれだけ感じるかというところかと思います。

——これまで様々な国の選手と戦ってきましたが、まだ黒人ボクサーとの対戦経験はありません。スパーリング経験はあるんでしょうか？

井上　スパーリングもないですね。そこも自分の中で未知の領域かなと思っています。黒人選手は身体の強さ、バネが違うじゃないですか。そこは感じてみたいというのはあります。

©Naoki Fukuda

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——これまで戦った中で、強いなと感じた対戦相手というと誰でしょう？

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