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清原和博が自宅リビングで明かした元妻・息子への本音「ひどい父親でしたけど…ほんと、いい女ですよ」「今のほうが輝いているんじゃないかな」
posted2022/09/07 11:18
text by
鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph by
Takuya Sugiyama
ベストセラー『嫌われた監督』で大宅賞、講談社ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞、ミズノスポーツライター賞の4冠受賞を果たした作家・鈴木忠平氏の待望の新刊『虚空の人 清原和博を巡る旅』より一部抜粋してお届けします。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
清原との対話が再開したのは2020年が明けてまもない2月のことだった。淡い冬の陽射しが降り注ぐ穏やかな日、私は渋谷駅へ向かった。
かつてと違ったことと言えば、行き先が白い壁の店ではなく清原のマンションになったことだった。そして、あのころいつも山手線のホームに響いていた工事の騒音は消えていた。
一方でハチ公口へ続く階段には相変わらず人波が絶えず、窒息しそうな閉塞感に満ちていた。そして約束の日はやはり木曜日だった。
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あらゆることが変化したようであり、ほとんど変わっていないようでもあった。
山手線を田町駅で降りると南口へ出た。埋め立てによってつくられた臨海都市の舗道は不自然に平らで直線的だった。ロータリーから数分歩くと、西の空に背の高いマンションが見えてきた。そこが清原の住まいだった。
保釈されてからしばらくは、銀座から数分のタワーマンションで子連れの若い女性と暮らしていたようだが、2人の関係が終わったためここへ引っ越したのだという。いずれにしても、他の誰かが生活を保障していることに変わりはないようだった。私の知っている清原はいつも誰かに整えられた人工的な場所にいた。
呼び鈴を押すと「開いてますよ」と清原の声が…
重厚なエントランスを入るとロビーは閑散としていた。犬を連れた老女がひとり、私とすれ違うように出ていった。広々としたエレベーターに乗って目的の階に上がると、玄関のドアがわずかに開いている部屋があった。ロックバーに乗ってドアストッパーとしてかませてある。表札には何も書かれていなかったが、それが目印であるようだった。
私は周囲を見渡してから呼び鈴を鳴らした。するとドアの隙間から「開いてますよ」という清原の声がした。無防備な玄関を入ると、小さなスペースに巨大なスポーツシューズが踵をそろえて置かれていた。私は残りのわずかな空間に自分の靴を脱いだ。すぐ目の前には部屋があり、半分開いたドアの隙間からそこが寝室であることが見てとれた。そこから左に行けば洗面所、右に行けばキッチンとリビング。間取りはそれだけだった。靴のサイズに比すれば意外なほどこぢんまりとした部屋だった。
清原はリビングにいた。
「なんもないですけど......」
L字型のソファから立ち上がると、清原は照れ臭そうに言った。