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濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
衝撃のユニット脱退はなぜ…スターダムの“絶対的ヒロイン”なつぽいが語る真相「心の底から“潰してやる”と思われたかった」《特別グラビア》
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/08/20 17:03
今年7月、DDMからコズミック・エンジェルズへ移籍したなつぽい。大きな決断を下した現在の胸中を明かした
実は心残りもある。今年からDDMに加わったオーストリア人レスラーのテクラだ。なつぽいの裏切りにDDMメンバーが怒りを露わにする中、テクラは涙ぐんでいた。
「テクラとタッグを組むようになって、お互いリスペクトし合える関係ができてました。テクラの型にはまらない考え方が凄く好きで。今テクラはケガで欠場していて、復帰しても敵同士。そこは複雑ですけど、これからは闘って勝たなきゃいけない」
「たむちゃんを見てると“凄いな、負けてられないな”と思う」
逆にたむとは闘う機会が減り、組んでいくことになる。8.21名古屋大会でのタッグ王座挑戦も決まった。
「たむちゃんを見てると“凄いな、負けてられないな”と思うことが多いですね。まず、怖いもの知らずすぎるんですよ。変なとこから飛ぶし。高所恐怖症って言ってるけど、絶対嘘でしょ(笑)。私と金網で試合した時も、お互い初めてなのにまったく遠慮なし。何をしでかすか分からないんです。SNSの動画も凄いですよ。彼女になりきるみたいな。あざとすぎて腹立ちますけど(笑)、それはプロのあざとさ。自分だけの武器がある人ですね」
では自分の武器は何なのか。もちろんなつぽいは常に考えてきた。
「小さい選手はハイスピード(戦線)っていうイメージがありますけど、そこだけに収まりたくないですね。私は白いベルトも目標の一つ。キッちゃん(スターライト・キッド)は赤も白も狙うと言ってて、実際に小さい選手のあり方を変えたところがあると思います。この1年ブイブイ言わせてるキッちゃんには悔しさも感じるんです」
「体格だけが強さじゃないからプロレスは面白い」
タイトル争いの中で好まれるのは、やはり激しい試合だ。なつぽいもそれは得意とするところ。だがプロレスはそれだけではないとも考えている。
「テクニックとか駆け引きもプロレスだと思うんですよ。丸め込みで3カウントを奪うのも立派な勝ち方。体格だけが強さじゃないからプロレスは面白い。“こうやれば大きい選手にも勝てるんだ”っていうのを見せたいですね。勢いとかバイタリティとか、そういうものでも勝負できるということを認めさせていきたいです。学校の勉強はできないですけど、プロレスに関しては意外と頭使えるんだなって思われたい!(笑)」
DDMを離れ、コズエン入りする際に、なつぽいは「革命を起こす」と言った。「その足がかりとして、たむちゃんとタッグのベルトを巻きます。今は具体的なことは言いません。でも女子プロレス界を変えるくらいのことを考えてます」
ファイトスタイル一つ取っても、なつぽいは常に思考し続けている。そんな彼女が革命という言葉を使うのだから、それが成し遂げられたら業界が変わるようなプランなのだろう。革命を起こせる妖精は、世界でも1人しかいない。
(撮影=杉山拓也)
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