濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「次の選手に何を望む?」記者の質問に、武尊が返した“意外な答え”…「武尊のいないK-1」はどうなるか? タイの大学生女子王者も誕生
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakao Masaki
posted2022/08/11 11:03
K-1女子に新設されたアトム級の王座決定トーナメントを制したパヤーフォン・アユタヤファイトジム
バンコクの国立カセサート大学の教育学部2年生、“大学生ファイター”でもあるパヤーフォン。日本には少し早めに来て、タイ人も多く所属するウィラサクレック・ムエタイジムで最終調整を行なっている。セコンドには元スーパー・ライト級王者のゲーオ・ウィラサクレックもついた。
ゲーオは2014年、新生K-1旗揚げ戦のトーナメントで優勝している。そして今回、初の女子大会(会場も同じ国立代々木競技場第二体育館だ)でもムエタイ戦士がベルトを巻いた。女子もまた、K-1の歴史の中にある。そんな印象も残すパヤーフォンの戴冠だった。彼女が作る新たなK-1の風景にも期待したい。
「次の選手に何を望むか?」武尊の答えに見えた気遣い
ベルトを返上した武尊は、後に続く選手に対して何を望むかと聞かれ、特に言うつもりはないと答えている。自分が「こうあってほしい」と定義して「K-1 NEXT」を縛りたくないのである。
彼が無期限休養を発表したのは、6月27日だった。K-1女子大会とその一夜明け会見が終わり、週が明けてというタイミングだ。意識してそうしたと武尊は言う。
「僕の話題で女子大会を邪魔したくなかったので」
そういうことまで考えて、武尊は休養を発表したのだった。試合内容、K-1を背負う覚悟、あるいは周囲への気遣い。あらゆる意味で武尊は頭抜けていた。誰も彼と同じことはできない。だからこそ、次世代を担う選手たちは「自分のK-1」を追求していく必要がある。
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