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“元アイドルのパワーファイター”ひめか覚醒の日…父の死を乗り越え、スターダムリーグ戦で林下詩美にも勝利「もうクヨクヨしてられない」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2022/08/10 17:00
今年の5★STAR GP開幕戦にて林下詩美に勝利し、勢いに乗るひめか
「誰よりも迫力を出してやろうって」
2人の試合ぶりは、他ならぬ小橋が「体も大きいし、ダイナミックな試合でした」と評価していた。いつもと同じで、しかし他の選手には経験できない試合だった。
ひめかが志向するパワフルで迫力があり、熱い試合。その意味でも林下は最高の相手だった。以前から、ひめかと林下のタックル合戦、ラリアットの打ち合いはスターダム名物になっている。今回の5★STAR GP開幕戦でも、ひめかと林下は何度となく正面衝突して観客を沸かせた。ひめかの腕には朱里とのタイトルマッチ、小橋興行で得た自信も乗っていた。コーナーの林下にラリアットを打ち込み、やはり最後はランニングパワーボム。真骨頂とも言える勝ちっぷりだった。
「自分としては詩美とのタックル合戦、ラリアット合戦は凄く楽しくて。それはお客さんも思ってるはず。詩美との試合では、そこで誰よりも迫力を出してやろうっていう気持ちがありますね。詩美もそれは思ってるんじゃないかな」
父の死…悲しみを乗り越えて
7月11日、ひめかは父親を亡くしている。悲しみの中、北海道ツアーを欠場したことを批判する、もはやファンとも呼べない人間からの声もあったという。そうしたことを乗り越えてのリーグ戦でもあった。
「今年はここまで、自分自身を見つめ直す機会がたくさんありましたね。今はもうクヨクヨしてられないです。父だって喜ばないだろうし、家族も心配してしまうので。優勝に向けて突き進むだけですね」
林下戦の勝利だけで満足はしていない。勝利を重ね、その先に見ているのはリーグ最終戦、同じDDMのタッグパートナー・舞華との対戦だ。この試合が決勝進出をかけたものになる可能性も十分にある。それまでの闘いで、今年のひめかは一味違うことがどんどん証明されていくだろう。本格的な“覚醒”は、むしろこれからだ。
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