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ソウル大学卒のエリートはなぜ“ショーダンサー”に? バーレスク東京・ラムが語る“異色の経歴”「ポールダンスが一番楽しい」《特別グラビア》
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/07/28 17:00
ソウル大学卒という経歴を持ち、バーレスク東京ではセンターダンサーとしても活躍するラムさん
母から勧められたバーレスク「やってみたら?」
――なるほど。最初はお母さんからの助言だったんですね。
ラム 「テレビでこういうのを見たんだけど、やってみたら?」と。それまで、私はバーレスク東京という存在も知らなかったんです。
――バーレスク東京に入るのは、どんな理由で決意したんですか。様々な選択肢の中での決断だったと思いますが。
ラム 例えばバレエ団に入ったとしても、公演にはシーズンがあるし、毎日ステージに立てるわけではないんです。でもバーレスクには、365日つねに休まず公演がある。「ここだ! ここなら毎日踊れるぞ!」って(笑)。
やっぱり私は踊るのが好きなんです。私にとっては、踊っているときが、一番安心する瞬間だから。
「ポールダンスが一番楽しい」
――バーレスク東京でのダンスは、ラムさんがそれまで学んできたものとは違うジャンルとも言えると思いますが、ギャップや難しさは感じましたか?
ラム ヒップホップのダンスに慣れるまではすごく大変でした。鏡を見て、「ダサッ」って落ち込むこともあったり。
でも、小さい頃からバレエをやってきたからこそ、活きていることもあります。バーレスクには、カッコいい、可愛い、セクシーなどいろいろな要素がありますが、前提となる「こう動けば綺麗に見える」という感覚は、バレエをやってきたからすぐわかりました。ダンスの基礎って、やっぱりバレエなんだなと改めて感じましたね。
――バーレスクに入って2年半ほど。ラムさんが特に大事にしているダンスは何ですか?
ラム ポールダンスです。レッスンを始めた頃は脚が痛くて、泣きながら練習していました(笑)。最初はつらかったですが、今ではポールをやっている時が一番楽しい瞬間かもしれません。
「ポールは怖いし、本当は人見知り。それでも…」
――ステージ上でのラムさんは、堂々とした存在感を放っているように感じます。
ラム でも、実はビビりなんです。ポールの上は高いし、少しでも気を緩めたら落ちてしまう恐怖もあります。それを何とかごまかしながら……。お客さんとのコミュニケーションも大事な仕事ですが、本当はすごく人見知りで、自分の中では得意ではないんです。でも、お客さんから「カッコよかったね」「あそこの表情がすごくよかったよ」と声をかけてもらうと、すごく嬉しいですね。
――これからはどんなダンサーになりたいですか?
ラム もっとポールを頑張りたいです。会場のお客さん全員を引き込んで、そして、ステージ上のどこにいても目がいってしまうような存在感を出したい。「ラムはバーレスク東京に必要不可欠なんだ」ってみんなから言ってもらえるように。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。