あれから2年半。その間にドネアはノルディーヌ・ウバーリ（フランス）、レイマート・ガバリョ（フィリピン）と戦い、その両戦に4回KO勝ちを収めました。一般的に言われている通り、今のドネアには新しい力が宿っているかのように見えます。現在の年齢に適した形にトレーニング方法を変え、それが功を奏していることがリング上の結果に表れています。

　もちろんウバーリ、ガバリョにやったのと同じような形で井上を仕留められるとは思いませんが、今回のリマッチでのドネアは、第1戦よりもさらに上質なボクシングを見せてくれるんじゃないかと思っています。

ノルディーヌ・ウバーリにKO勝ちを収めたノニト・ドネア　©AFP/アフロ

ドネア戦以降の井上は“いまひとつ”？

　一方、井上の方はドネア戦以降、ジェーソン・モロニー（オーストラリア）、マイケル・ダスマリナス（フィリピン）、アラン・ディパエン（タイ）にすべてKO勝ち。ただ、その戦いぶりはいまひとつだったようにも感じています。そうなった理由はどこにあったのかの判断は難しいというのが正直なところ。対戦相手の質が伴わなかったため、インスパイアされていなかったのかもしれません。それと同時に、ドネアとの第1戦での苦戦は、もしかしたら精神的な面でドネアよりも井上により大きな影響を与えたのかもしれないとも考えています。

　ここでついに迎えるリマッチでは、互いにパワーで相手を粉砕できると信じて戦いに臨むことが重要になってくるでしょう。序盤は両選手がアウトボクシングを試みるかもしれませんが、必然的に打ち合いになるはずです。

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