武蔵丸の辛口御免 Oh!相撲BACK NUMBER
“ご意見番”武蔵丸も正直ガッカリ「今の3大関はワーストだよ」「千秋楽の結びの一番なんて、お客さんに申し訳ないよね」
text by
武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide
photograph byKYODO
posted2022/05/23 17:03
14日目 、大関貴景勝(右)が押し出しで大関御嶽海を破る。貴景勝が8勝7敗、御嶽海が6勝9敗と厳しい場所になった
小結として勝ち越した豊昇龍は、まだまだだな。どこかまだ中途半端で“自分の相撲”を取り切れていないの。相手の出方によって相撲を変えちゃうんだよね。相手より先に先に、と意識すればいいよ。
若隆景のお兄ちゃんの若元春は9勝。いやらしい相撲を取らず、大きな体ではないのに当たって組んで、自分の形でがっぷり四つに行くんだよね。でも、あと2、3場所は見てみないとな。今場所は西6枚目だったけど、来場所以降、上位に番付が上がってから、そこで自分の相撲が取りきれるかどうかが問題。初日から大物と当たって、そこからの”流れ”というものが大きいから。上位との戦いに慣れれば、これから先が楽しみなひとりだね。
十両2場所目の、19歳の熱海富士が注目されているけど、まだ脇が甘いし、腰が高い。あと、落ち込むのが早いぞ(笑)。勝っても負けても顔に出て、その表情が微笑ましいと言われてるんだけどね。もっと体を丸くして当たって一気に走れば、もっともっと伸びるよ。
あとは、西15枚目で勝ち越した一山本がよかったな。まだまだ力不足だけど、何をやっても、思い切りいく相撲なんだ。勝っても負けても花道でニコニコと、すがすがしい感じで精一杯ぶりが伝わってくるんだよね。
今場所全体としては、最後の最後まで優勝がわからず、面白かったと思う。“丸ちゃん賞”は、35歳の佐田の海にあげようかな。
7月の名古屋場所は、久しぶりの”通常開催”になるんだそう。みなさん、また名古屋でお会いしましょう!
(構成=佐藤祥子)