沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
《ヴィクトリアマイル》得意のマイル&重馬場でレイパパレが圧勝? “白毛の女王”ソダシはダート経験がどう生きるか
posted2022/05/14 11:03
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
1年以上の休養を経て復帰する無敗の牝馬三冠馬、芝戦線に戻ってきた純白の女王、そして、重馬場の大阪杯で牡馬勢を一蹴した小さな女傑。
第17回ヴィクトリアマイル(5月15日、東京芝1600m、4歳以上牝馬GI)には、レース史上最高と思われる豪華メンバーが揃った。
同じ牝馬のマイルGIでも、桜花賞は差のない激戦になることが多いのに対し、このヴィクトリアマイルは、突出した力を持つ1頭が、圧倒的なパフォーマンスでインパクトを与えるレース、という印象が強い。
例えば、2009年は、牝馬のダービー馬ウオッカが2着を楽に7馬身突き放した。2020年は、最強牝馬アーモンドアイが、ほぼ持ったままで4馬身差の圧勝。昨年は、牡馬相手にスプリントGIとマイルGIの「2階級制覇」を達成したグランアレグリアが4馬身差で力の違いを見せつけた。
GI馬5頭が競演する今年はどうなるのか。
レイパパレにとってマイルは得意距離
大混戦になりそうな気もするが、週末の雨予報も相まって、飛び抜けた走りで圧勝する可能性のある馬が1頭いる。
ここが約2年ぶりのマイル戦となるレイパパレ(5歳、父ディープインパクト、栗東・高野友和厩舎)である。
育成馬時代、「スクミ」と呼ばれる、体がこわばって動かなくなる症状を起こすなど、デリケートなところがあり、デビューが3歳時、一昨年の1月と遅くなった。そのデビュー戦は、京都芝1600mの新馬戦。道中2番手につけ、直線で2着を2馬身突き放した。
成長を促すため、5カ月の間隔を置いて使われた2戦目は、阪神芝1600mの1勝クラス。中団から直線で馬群を割り、1馬身差で快勝。マイル戦はそれ以来となるが、もともと、得意としていた距離なのだ。