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皐月賞、桜花賞の勝ち馬はなぜ“人気の盲点”になっていたのか? 上位組がダービー、オークスでも好走する可能性を徹底検証
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/04/24 11:00
皐月賞を制したジオグリフと福永祐一
ジオグリフは2月の共同通信杯からゆったりとした臨戦過程。近年では共同通信杯からの好走例は多く、今年もそうなったわけだが、その東京のGIIIではダノンベルーガ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)が印象的な勝ち方をしていたので、一緒に出走となった今回もそちらが人気(ダノンベルーガは単勝5.0倍の2番人気でジオグリフは同9.1倍の5番人気)になっていた。桜花賞のスターズオンアース同様、直接対決での結果から人気の盲点になっていたというわけだ。
皐月賞上位組がダービーでも好走する可能性は高い
一方、2着のイクイノックスは2歳時の11月に走った東京スポーツ杯2歳S以来で3歳になってからはこれが初戦という臨戦過程。さすがにこれだけ開いていると狙い辛いが、それでも3番人気の支持を得ていたようにここまでの2戦がいずれも強い勝ちっぷりだった。ひと叩きされた事で次のダービーでは今回の勝ち馬を逆転する可能性もありそうだ。
3着はドウデュース(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)。武豊騎手を乗せて昨年の朝日杯フューチュリティSを制し、最優秀2歳牡馬に選定されたこの馬は、1番人気に推されていた。競馬は後方からとなったが、先述したように前半60秒2というラップはこのクラスでは遅い流れ。実際、逃げたアスクビクターモア(牡3歳、美浦・田村康仁厩舎)が5着に粘ったのを始め、先行、好位勢が上位に残る中、後方から追い上げての3着は評価出来る。上がり3ハロン33秒8という数字は勿論、最も速く、2ハロン延長されるダービーの舞台でこの末脚が更に活きるかもしれない。期待しよう。
また、4着のダノンベルーガも先述した通り共同通信杯ではジオグリフに完勝していただけに、同じ東京コースに戻るダービーでは巻き返しが期待出来る。
さて、今回は桜花賞と皐月賞の上位勢を中心に東京の2400メートル戦を占ったが、もっと下位に敗れた中から巻き返してくる馬がいる可能性も否めないし、また別路線からの躍進もあるかもしれない。今年のオークスは5月22日、ダービーは同29日、いずれも東京競馬場の芝2400メートルを舞台に行われる。今後の動向にも注目しながら本番が来るのを楽しみに待とう。