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元宝塚トップスター望海風斗が証言する“羽生結弦27歳の美しさ”「マニアックですが、私は羽生選手の“踏み込み”が大好きで(笑)」
posted2022/04/22 17:10
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph by
Asami Enomoto
宝塚歌劇団雪組トップスター時代から、抜群の歌唱力と幅広い役をこなす演技力、圧倒的な存在感でカリスマ的な人気を誇ってきた望海風斗。現在も舞台を始め、第一線で表現し続ける彼女は、実はフィギュアスケートの大ファンとしても知られている。現在発売中のNumber PLUSフィギュア別冊号で行ったインタビューでも、羽生結弦のアスリートとしての真摯な姿、そして彼が見せる表現の幅広さから、大きな刺激やインスピレーションを受け続けていると語ってくれた。
「『天と地と』は現地で拝見したんです。ちょっとマニアックなんですが、私は羽生選手の(ジャンプの)“踏み込み”が大好きで(笑)。生で4回転アクセルを見たときも“そうそう!これが好きなんだな”と鳥肌が立ちました。プログラムを拝見して感じるゾクゾク感というのは毎回更新されていますが、それは羽生選手が進化し続けているからこそ感じるものなんだと思います」
現地で生観戦した昨年末の全日本選手権を思い出しながら、興奮気味に語る。2月の北京五輪に話が及ぶと、さらにその熱量は増し、言葉の数は増えていった。『天と地と』、そして最も好きだというプログラム『SEIMEI』については、知られざる秘話を含め語ってくれているので、ぜひインタビュー本編をご覧いただきたい。
「こんなにも美しく表現する選手がいるんだ」
幼い頃、フィギュアスケート好きの友人の影響で、自然とフィギュアスケートに惹かれるようになった。中学生の頃には夢中になり、テレビで大会の中継を熱心に見ていたという。長野五輪のタラ・リピンスキー、トリノ五輪の荒川静香など、フィギュアスケートの表現の世界観や美しさに触れ、「私もこんなふうに綺麗に表現できたらいいだろうな」と魅了された。羽生の演技をよく見るようになったのは2014年のソチ五輪。それ以前から存在は知っていたというが、力強いジャンプが醍醐味だと思っていた男子シングルに、「こんなにも美しく表現する選手がいるんだ」と羽生の演技に魅せられ、「オリンピックでは必ず男子も見ないといけない」と2014年のソチ五輪では夢中になった。
「『パリの散歩道』は見ていてワクワクするというか、勢いを感じて、見ているこちら側もエネルギーがアップするようなプログラムだったので楽しかったですね。逆にフリーの『ロミオとジュリエット』はすごく繊細なものを見た気持ちになりました。私のなかでは、レオナルド・ディカプリオさんの映画の印象が強かったんですが、それともまた異なる、“熱さ”と“冷たさ”というものを感じました。男性の方が演じられる『ロミオとジュリエット』が、こんなにも美しくて華やかなのか……と。しかも、それでいてロミオの若さというものも感じられて。もっと知りたいと思うようになり、そこからハマって、羽生選手の世界に引き込まれましたね」
「『オペラ座の怪人』がベスト3に入る」
実はそんな2人にはある共通点がある。