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「クボは気合が入っていなかった」と言われたけど… 久保建英の“超集中”に元日本代表監督アギーレが拍手したワケ〈撮影者の視点〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2022/04/16 17:02
アギーレ監督体制2戦目、久保建英はベンチスタートだったが意地の好プレーを見せた
また自身の右サイドでは、レイニルドへ激しくプレッシング。アトレティコの攻撃の組み立てをしっかり防御する攻めのDFを見せると、久保をベンチスタートとしたアギーレも思わず拍手で応えます。
守備面だけでなく、積極的にシュートを打つ姿も撮影できました。ペナルティボックス内に入り、ジャンピングボレーを狙いましたが枠はとらえきれず、悔しがる姿からは、何か特別なこの試合にかける思いが伝わってきました。
相手が激しく寄せてきても笑顔を浮かべていた
68分、ババがボックス内のマフェオにクサビのパスを入れると、マフェオが倒されPKを獲得。連敗脱出がかかった緊張感漂うPKをムリキが落ち着いて決め、マジョルカが1-0と先手を取りました。喜びを爆発させる選手たち、そして会場全体がひとつになり、ゴールを祝福していました。
リードを許したアトレティコは監督のシメオネが激しく指示を飛ばし、マジョルカにプレッシャーをかけます。それに対しても久保、ムリキと激しく肉弾戦にも対抗していました。
激しく寄せて来る相手に対して久保は、体に痛みを感じつつも、楽しくなってきているかのように――笑顔を浮かべる姿を撮影できました。
久保はその後もボックス内への突入、またボックス付近でファウルを誘うなど、出色の活躍を見せました。
表示されたアディショナルタイムは6分、是が非でもこのままゲームを終わらせたいマジョルカにとっては長い追加時間。個人的にはあまり好きなことではないですが――面白かったのが、自発的だったのか指示があったのか、ボールボーイがボールを片付け始めて“業務”を放棄したことでした。ゲームに大きな影響を与える事にはならなかったのですが、彼らの残留に向けての必死な思いが伝わってきました。
マジョルカは無事リードを保持してゲーム終了。倒れ込んだ殊勲の久保の元へ、イ・ガンインなどが駆け寄りました。また連敗の中、この試合でも90分応援し続けたファンの元へ選手も近づき感謝を伝えました。