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「クボは気合が入っていなかった」と言われたけど… 久保建英の“超集中”に元日本代表監督アギーレが拍手したワケ〈撮影者の視点〉
posted2022/04/16 17:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
スペインを中心にヨーロッパ各国でフットボールの撮影をする日本人フォトグラファー中島大介氏。久保建英が元日本代表監督ハビエル・アギーレ監督体制で臨んだ一戦を、現場の空気を臨場感たっぷりにお届けする(外部サイトでご覧の方は関連記事などの「新着写真」からプレー写真をご覧になれます)。
4月9日、リーガ31節、RCDマジョルカ対アトレティコ・マドリー戦の撮影に向かいました。
アギーレ新監督を迎えたマジョルカは、代表ウィーク明けの対ヘタフェ戦を落とし、7連敗となりました。連敗脱出にはかなり手強い相手となるアトレティコを相手にどのような戦いをするのか。また、新監督の下での初戦をサブメンバーとして迎えた久保の状況が気になる試合でした。
土曜日16時15分キックオフとなったこの試合、満員にこそなりませんでしたが、子供連れの家族ファンなど多くのサポーターが集まりました。久保は、アギーレ体制下では2試合連続となるサブスタート、久保とポジションを争うイ・ガンインが先発メンバーに入りました。
チャンピオンズリーグのマンチェスター・シティ戦の間にこのカードを迎えたアトレティコは、大方の予想を裏切る、豪華な先発メンバーをそろえてきました。対するホーム初戦となるアギーレ監督は、自陣のベンチをチェンジし、今までアウェイチームが座っていた側に陣を張りました。
前半はアトレティコ攻撃陣がマジョルカのゴールに迫り、なんとか体を張って守り切るシーンが目立つなど、チーム力の差がそのまま表れました。ただしアトレティコから見ると先発出場となったスアレスに決定的な場面が訪れず、0-0で前半を終えることに。
ピッチに入った久保が見せた“集中モード”
アトレティコは、後半開始と同時にグリーズマンとコケを交代。CLに向けた選手起用を講じます。
久保は最初のアップメンバーに入り、アップに向かいます。そして54分、久保はイ・ガンインと交代でピッチに入ると、こめかみをぐっと押さえて、集中モードに。久しぶりにこの仕草を撮影しました。格上相手に同点の戦いの中では、かなり早めの交代策に感じました。
右サイドに入った久保は、途中出場ということもあってか――初っ端から相手へ激しくプレッシングをかけます。また、中央や逆サイドにまで流れて積極的にボールに関与しました。
レマールのプレッシャーに耐えながらボールをキープし続けた際には、会場から歓声が起きていました。また、狭い局面でダニとのコンビネーションで突破を図った際、対面していたブルサリコはたまらずカード覚悟でファウル。このような場面でも久保は、しっかりルックアップしてプレーしているのが写真からも見て取れます。
さらに久保の投入で会場の雰囲気が変わったのが感じられました。