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[ICHIROを語ろう]グン・オモサコ「“お手本”との100球の対話」
posted2022/04/16 07:03
text by
ブラッド・レフトンBrad Lefton
photograph by
Yukihito Taguchi
初めて参加したキャンプの初日に経験できたことは、いま思えば奇跡だった。2020年3月の話だ。当時18歳だった無名のプロスペクトは、レジェンドに声をかけた。
「ケージで投げてくれませんか」
依頼されたのは、前年に現役を引退し初めて会長付特別補佐兼インストラクターとしてキャンプを迎えたイチロー。打撃投手としてグラウンドとケージで計250球ほどを投げ終え、クールダウンモードで軽いストレッチを始めたところだった。そこへやってきた初対面のマイナーリーガーからの依頼だ。だが、体を伸ばしていたレジェンドは、顔を上げると「いいよ」と一言。そして約100球を投げたのだった。