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オズワルドの告白…ダウンタウン松本のひと言で「ほんと泣きそうでした」松本とオール巨人“真逆のアドバイス”から1年間をどう過ごした?
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byKeiji Ishikawa
posted2022/04/10 17:01
結成7年で3年連続の決勝進出だったオズワルド。畠中悠(34歳、左)と伊藤俊介(32歳)。東京吉本所属
伊藤 優勝するわけないと思ってましたよ。2本目があれで、優勝していいわけがない。
畠中 そういう顔、してたと思います。
――私は1本目があまりにも圧倒的だったので、オズワルドかなとも思っていたのですが。
伊藤 あれで優勝したら、1本目の貯金で優勝したことになっちゃうんで。そうしたら、一生モヤモヤが残りますよ。
畠中 申し訳ないです。
伊藤 ペコペコチャンピオンになっちゃう。
――ただ、1票目、オール巨人さんはオズワルドだったんですよね。
伊藤 うれしかったですけど、ここからは、たぶん1票も入らないだろうなと確信していました。そうしたら、案の定、錦鯉さんに一気に抜かれました。
――ゆにばーすの川瀬さんが2本目に「糸」というネタをやっていたらオズワルドが優勝していたかもと話していたのですが。結婚式の余興で、中島みゆきの『糸』をデュエットするというネタですよね。
畠中 寄席でよくやっていて、ウケるんですよ。地方の営業とかでも。でも、あれをM-1でやろうと思ったことは一度もないですね。
伊藤 あのネタで優勝したくないというのはあるな。
畠中 やっぱりM-1用に仕上げるって、ぜんぜん違うんですよ。僕らが勝手に思ってるだけかもしれないんですけど。
伊藤 本来、僕らは大爆笑を取るようなタイプじゃないんです。できたら、10分ぐらい、ずっとクスクス笑っていて欲しい。でもM-1はドン、ドン、ドン、ドッカンみたいな笑いじゃないと勝てないじゃないですか。
――どこか無理をしているわけですか。
伊藤 無理しているつもりはないんですけど。まあ、どこのコンビも大なり小なり、そこは苦労しているんじゃないですか。M-1においては。
畠中 漫才をやってるのも、もともとM-1のために、というところもあって、その作業も楽しいは楽しいんですけどね。
伊藤 でも、いつか、グダグダ、グダグダ漫才をやれるようになりたいですね。M-1のネタって、とことん無駄を削ぎ落す作業なんですけど、僕はその無駄が好きなので。そのためにも早くM-1で優勝したいっていうのもあるんですよね。
<#3へ続く>
(写真=石川啓次)