伊藤　あんときは、ほんと、泣きそうになっちゃいましたね。

――前大会、オズワルドは、松本さんに「静かな感じの漫才を見たかった」と言われ、オール巨人さんには「最初から大きな声でツッコんだら？」と言われるという、それぞれから真逆のアドバイスを受けて話題になりました。あのあたりは、どう消化したのですか。

伊藤　もう、やりながら徐々にという感じですね。最初の1、2カ月はメッチャ気にしていましたけど。ずっと、静かな声でやってみたり。

畠中　その途中、松本さんにお会いする機会があって、じつは（巨人さんと）そんなに違うことを言われているわけではないんだなみたいに思えたんですよ。

――違うこと、言ってませんか。

畠中　言葉尻だけ捉えちゃうとそうなんですけど、要は、会話として自然にやりなさい、ということだったと思うんです。前までは、ウケたいからって無理やりでかい声でツッコんだりしていたので。とにかく盛り上げどころを作ろう、作ろうとし過ぎていたんだと思います。

――オール巨人さんも今回は「直すところがない」という評価でした。

畠中　うれしかったですね、ほんとに。

伊藤　じゃあ、なんで100点じゃないんだって。でも、後日、「94点は僕の中では100点だから」と言われました。

「2本目があれで、優勝していいわけがない」

――オール巨人さんは審査員の中では点数が低めですからね。塙（宜之）さんも大絶賛でしたよね。「これぞ畳一枚でできる話芸だ」みたいな。

畠中　それを意識したことはないんですけどね。もともと、動きとかうまくないので、ほぼ動かないという形に落ち着いただけで。

伊藤　逆に、いいフリにできるな、とは思いましたね。今度、メチャクチャ動くくだりがあってもいいのかな、って。

――ちなみに、2本目のあと、ファイナルジャッジが下される瞬間はどんな心境だったのですか。

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