田渕　そこにおもしろさが乗っかれば100点もらえたんでしょうね（塙の実際の点数は93点）。めちゃめちゃ光栄ですけど、うまさを競う大会じゃないんで。

きむ　そういう称号をもらえたのはうれしいですけど。

田渕　決勝が終わったあと、（東京ダイナマイトの）ハチミツ二郎さんから連絡をいただいて。〈敗因はうまくなり過ぎたことだ〉とだけ書かれていました。だから、玄人から見ると、ネタを体に馴染ませ過ぎて、流ちょうにやり過ぎたんちゃうかみたいな部分もあったのかもしれません。ほんと、難しいところなんですけど。

――今回の決勝進出時の喜びは、初めてだった2019年、そして敗者復活戦から勝ち上がった2020年のときと比べて、どうでしたか。

田渕　敗者復活で呼ばれたときと同じくらいか、それ以上に嬉しかったかも。

きむ　僕は2019年、人生のピークと言っていいぐらいに嬉しかったんですよ。でも今回は、そこをも超えてきましたね。2020年に準決勝で敗退してたので、もう一回、ストレートで行けたということで自信にもなりましたし、すごくホッとしました。

――昨年のインタビューで、田渕さんが、次、ファイナリストに選ばれたとき「きむは2万％泣く」と話していましたが。

きむ　また泣いてましたね。気づいたら。いや、めっちゃホッとしたんですよ。今回は春ぐらいから決勝いけるやろって思ってたんです。なんで、名前を呼ばれた瞬間、自分の感覚は間違ってなかったんやな、て。

きむ「廊下に出てぐるぐるぐるぐる…」

――今回は準決勝ネタ（「怖い動画」）を決勝1本目に披露して、準々決勝ネタ（「もっと売れたい」）を決勝2本目に持ってきました。そして、3回戦は、また別のネタを用意していましたよね。

きむ　あのへんはプラン通りでしたね。

田渕　1本のネタで押すみたいなことはせずに、できる限りバラけさせたかったので。

――動画配信される3回戦ネタは、言葉は乱暴ですが、演者からするとやはり「使い切り」にせざるを得ませんか。

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