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210cm牧大晃18歳が熟考して決めた「大学入学前にVリーグ」バレー界の“暗黙の了解”に踏み込んだパナソニックの一歩
posted2022/03/11 11:01
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Noriko Yonemushi
注目を集めた春高バレーから1カ月後。身長210cmのアウトサイドヒッター・牧大晃(高松工芸高校)は、新たな挑戦をスタートした。
2月9日、V.LEAGUE DIVISION1(V1)のパナソニックパンサーズは、牧の入団を発表した。牧は4月から筑波大学に進学するが、それまではパナソニックでプレーし、それ以降も大学とVリーグを両立する予定になっている。
これに先立ち昨年末には、東京五輪代表で早稲田大学3年の大塚達宣と、筑波大学3年のエバデダン・ラリーが、今季パナソニックでプレーすることが発表された。大塚は早速1月から先発出場して攻守に活躍。ラリーも出場機会を増やしている。
高校卒業後、大学に進学せずVリーグのチームに入団するケースや、入団が決まっている大学4年生が内定選手として試合に出場するケースはこれまでもあったが、大学1~3年生や、大学に進学予定の高校生がチームに加入するのは、V1男子では初めてのことだ。
憧れのクビアクとプレー「すごいです」
牧は2月からパナソニックの練習に合流。まだ試合出場はないが、東京五輪でフランスを初の金メダルに導いたティリ・ロランが監督を務め、選手にも代表経験者が多いパナソニックでの毎日は、牧にとって刺激しかない。
憧れの選手は、ポーランド代表主将でパナソニックに所属するクビアク・ミハウだと語っていた。実際、間近でクビアクのプレーを見ると驚くことばかりだと言う。
「本当に奇想天外なプレーをするので、すごいです。なんでこの時こういうプレーをしたのか、なんでそういう発想になるのか、どういう見え方をしているのか……。聞きたいなと思うんですけど、まだちょっと話しかけづらいです」と苦笑する。今はとにかく見て吸収しようと懸命だ。