イタリアでの石川選手との対戦に刺激を受け、当然意識は日本代表に向かいます。まだメンバーが発表されていませんし、僕もどうなるかわかりませんが、今こうしてイタリアへ来ているのも日本代表で結果を出すための選択であり、それがすべて。これからも、日本代表でレベルアップした自分のパフォーマンスを発揮できるように、たとえリベロでもやるべきことをやり抜くだけだと思っています。

 まずは今、自分が持っているバレーボールのスキル、力を最後まで出しきって今シーズンを終えた時、次は何を求めないといけないのか。代表に選ばれればまたそこから日本代表でどういう役割を求められているのか、どういう役割を果たしていかなければいけないのか。すべてが必ず明確になってくると思います。今、リベロで出場する機会を与えられたこともプラスだと思いますし、リーダーシップも含め、次へつなげるためにここで学べることは全部学び、日本へ持ち帰って活かしていきたいです。

藤井さん、待っていますよ！

　最後に。2月27日、日本代表で一緒にプレーをさせていただき、とてもお世話になっている藤井（直伸）選手がご自身の病気を公表しました。

　多くの方々がそうであるように、僕も驚き、ショックを受けましたが、今の自分にできることは、また藤井選手とコンビを組んで、バレーボールの試合を楽しくできるその日を待ち望み、その日のために強くなることがすべてだと思うし、こうしてバレーボールができることに感謝して、全力で取り組まないといけないということ。

　いつ何が起こるか。この1カ月で、考えもしないことが起こり得るということを思い知らされました。自分もいつバレーボールができなくなるか、先のことはわかりません。今、バレーボールができていることは当たり前ではない。だから毎日悔いがないように、自分が決めたことをやり抜いて行くしかないと思います。

東京五輪でともに戦った藤井直伸（3番）への想いも明かした高橋藍　©︎JMPA

　また一緒にバレーボールの魅力、素晴らしさを伝えられるように、みんなで乗り越えましょう。藤井さん、僕ももっともっと強くなれるように頑張ります。待っていますよ！

（構成／田中夕子）

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