2021年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
M-1本番直前に「ヤバいヤバい…」初出場の真空ジェシカが語る“コンビの感覚の違い”「ギリギリまでぷよぷよ派vs.ネタ合わせしたい派」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byShigeki Yamamoto
posted2022/02/27 17:01
結成9年でM-1決勝初出場となった真空ジェシカ。川北茂澄(ボケ、ネタ作り担当、右)とガク(ツッコミ担当)。おぎやはぎやアンタッチャブルと同じ人力舎所属
ガク 本当はもっとたくさん合わせておいた方がいいんです、僕らは。ネタが終わった直後は、いつもそのことを反省しているんです。でもすぐ忘れちゃって、本番当日になって、ヤバいヤバいとなってから慌てて合わせる。
川北 え、そうなんだ。初めて聞いた。僕は毎回これでいいと思ってたんで。ネタ合わせをやり過ぎると飽きちゃうんですよ。単純に嫌いなだけかもしれませんけど。
――でも、「笑神籤(えみくじ)方式」ですから、いつ自分たちの名前が呼ばれてもいいように、いちおう、いつでも来いという感じで待ってはいたんですか。
川北 ぜんぜん待ってません。
ガク まだやめてくれ、と。
川北 1番手がモグライダーさんで、2番手がランジャタイさんだったので、どちらの後も嫌でした。けっこう変なネタなので。そうしたら3番手がゆにばーすさんで、ちょっとリセットされた。4番手は(敗者復活枠の)ハライチさんで、ハライチさんもそこまで変なネタはやらないだろうと思ったら、めちゃくちゃ変なネタで。この後も嫌だなと思って。
――でも、5番手で呼ばれてしまったわけですね。
川北 ただ5番目というのはちょうどよかったですね。早過ぎず、遅過ぎず。
――控え室からスタジオへ向かう廊下のところで、コケるというボケをしましたが、ああいうのは事前に打ち合わせしておくものなのですか。
川北 いや、していないです。
ガク だから僕も本気で心配しちゃいました。大丈夫かな、ケガしてないかな、って。
川北 カメラには映っていませんでしたけど、控え室でも出ていく瞬間、コケたんです。でも無視されましたね。
ガク ツッコんだら、また調子に乗っちゃうんで。
川北 待機しているみんなは、ちょっと怒ってましたね。あとがやりにくくなるだろ、って。なので、廊下でもう1回やってやろうと。そうしたら、コケたところが偶然、ちょうど(事務所の先輩の)アンタッチャブルさんの写真の前で。
――廊下の壁に01年からの歴代王者の写真がずらっと並んでいて、たまたま04年のところでコケたわけですね。
川北 われながら、自分の事務所愛に感心しましたね。
ガク そんなたいそうなものじゃないです。
<#3へ続く>
(写真=山元茂樹)