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俳優兼プロ雀士・萩原聖人に聞く「麻雀はスポーツ化できるのか?」“30打席連続三振”のような不条理も「決して“運ゲー”ではない」
posted2022/02/20 17:03
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Yuki Suenaga
「さぁ、麻雀をあたらしい時代へ」(Mリーグ公式サイトより)
阿佐田哲也が『麻雀放浪記』に書いたような鉄火場のイメージは、もはや過去のものなのかもしれない。切った張ったのギャンブルだと見なされていた麻雀が、スタイリッシュに洗練された頭脳スポーツとして生まれ変わろうとしている。
そのきっかけとなったのが、2018年に発足したMリーグだ。毎年秋から翌春にかけて、それぞれ有名企業がオーナーの8チームによる対抗戦を行い、優勝賞金は5000万円。ABEMAで放送されているMリーグ中継は多くの新規ファンを生み出し、現在では“見る将”ならぬ“見る雀”という言葉が生まれるほどの盛り上がりを見せている。
無理をしてスポーツ的な見せ方はしなくてもいい
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しかしそもそも、麻雀というゲームをスポーツとして捉えることは、どの程度まで妥当なのだろうか。
電通がオーナーを務めるTEAM雷電の一員としてMリーグに参戦する俳優兼プロ雀士の萩原聖人は、「あくまで僕個人の意見ですが」と前置きしつつ、“頭脳スポーツ”という見方への疑義を口にした。
「正直、頭脳スポーツやマインドスポーツというのは、ただの言葉だと思っているんです。おじさんたちが雀荘でやっているイメージを変える戦略としてスポーツと言っているだけで、麻雀そのものが真にスポーツ的なのか、ということに関して僕自身はクエスチョンがある。脳のスポーツというのは事実だと思いますが、『野球やサッカーと同じですか?』と言われたら決してそうではないわけで……。無理をしてまでスポーツ的な見せ方にしなくてもいいんじゃないかな、と。麻雀は麻雀ですから」
タバコの煙が眼球にしみるほど充満した雀荘で、お世辞にも健康的とは言いがたい人々が昼夜を分かたず摸打を繰り返し、「ツモ、2000・4000は2100・4100」などと呪文のような点数申告を無愛想に口にする……。そんな麻雀のイメージを払拭するために、Mリーグはさまざまな工夫を凝らしている。
選手たちは老若男女を問わず、チームカラーを反映したユニフォームを着用。従来の放送対局のフォーマットを一新し、スタジオや実況、解説、カメラワーク、照明、ヘアメイクに至るまで、プロスポーツにふさわしい華やかな質感のエンターテイメントへと昇華させた。